240630 IL PRIMO GIORNO DELLA MIA VITA 2023 イタリア映画 原案・脚本・監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
まずはキャスティングの豪華さに目を奪われ、ジェノヴェーゼ監督というので、俄然見る気に。この後も、映画祭出品作品を何作か見る予定ですが、まずは1作目にこれを選んだのは正解だったようです。
でも、見初めて、アレレ・・・?まったく予備知識なしに見始めたので、自殺を扱う作品だったのには、正直驚きました。カトリック大国であるイタリアで自殺を扱う作品とは!
面食らいつつも、見始めました。どんどん引き込まれました。ローマの中心、サンタンジェロ城がバックに見える通り、土砂降りの雨、秋のようです。そこから始まります。
ある男(トニ・セルヴィッロ)が大人3人、子供一人を自分のワゴン車に半ば強引に載せて、市内の安ホテルに向い、チェックインさせます。どうやら、この男の経営するホテルらしいのです。でも、水も出ないようなひどいホテルです。
そのうちに、分かってきます。連れてこられた4人はいずれもが自殺を図って、いわば生死の境目のような状態にいることです。彼らの姿は生者には見えない仕掛けです。それぞれに自殺の原因が明らかになってきます。
この男、どうしようとしているのか、先にあの世へ行った者として、なんとか彼らを救おうとしているようです。1週間かけて、上手く行く者もそうでない者も・・・。とても考えさせられるラストです。このタイトルの意味も分かります。ふーん、ジェノヴェーゼってこんな作品も作っちゃうんですねぇ。参りました。
セルヴィッロの他、愚亭の好きなマルゲリータ・ブイさん、登場です。相変わらず愁いを帯びた視線が印象的です。それと名優、ヴァレーリオ・マスタンドレーアが上手いです。