240928 今回は応援している鈴木麻里子さんがトゥーランドット姫で出演するというので、調布へやってまりました。
指定席なので、悠々と開演ちょっと前にホールに着いたら、大変な人混み。そうなんです、これは市民オペラなんで、合唱団員のご家族、親戚、友人など多数が詰め掛けるのが常なので、確かに毎回この有様です。
さて、幕が開いてびっくりです。舞台美術・セットのなんと素晴らしいこと。しかもこんな大仕掛けの舞台を作ることが市民オペラでできてしまうのですもの。
さらに開幕と同時に合唱団員が勢揃いで歌い出しますが、これがまた大変なレベル!指導されたバリトンの谷 茂樹さん、私も一度「第九」で指導を受けたことありますが、よくぞこの水準まで高められたと敬意を表したいところです。
ところで、タイトルロールの姫、なかなか登場しません。1時間以上も過ぎたあたりでやっとお出ましとなります。散々待たされていますから、聴衆の期待も一身に集中。愚亭もかなりドキドキしていましたが、まあ、立派なお声で、一安心。
今回は油断してチケット確保に出遅れたので、図らずも2階席(それでも@¥9,000!)となりました。でも、正面の前から2列目ですから、悪くないどころか、こんなグランドオペラは1階の前方よりこの辺りの方が隈なく楽しめると思いました。もちろんオペラグラスは大活躍しました。
麻里子さん、期待に違わず、2階席までびんびんと響くリリコ・ドランマーティコであることを見事に証明されていました。姫の歌唱はほとんどがffみたいですから、喉の消耗はハンパないと思われます。すっごいエネルギーが求めらる役どころだけに、これを演じられる人は限られると言えます。
その点、超有名なアリア、Nessun Dormaを歌うカラフや、1幕の「お聞きください、王子様」、終幕部分で歌われる「氷のような姫君の心も」、この抒情的な2曲でばっちり聴衆を虜にできるリューは実においしい役柄でしょう。姫様のアリアはコンサートやリサイタルであまり単独で歌われる機会が少ないだけに、ちょっと気の毒かも。
カラフ役の小野弘晴さん、リュー役の小川栞奈さん、お二人とも持てる力量を最大限発揮してBraviでした。終演後の喝采やブラヴォーも姫様に負けずに大きかったです。
また宮廷の3大臣、ピン・ポン・パンも存在感たっぷりでした。しかし、彼らの登場場面、あんなに長かったんだと、今回、改めて思った次第。少し長過ぎかもというのが、正直な感想です。
オケも素晴らしくよく鳴ってたし、衣装、照明に至るまで全てが一流で、二期会や藤原の公演並みでした。@¥9,000はむしろ安かったのかも。