241102 デビュー当時から応援している高橋絵理さんが出ることになっていたので、早々とチケットを確保していました。ところが、その後、体調不良で降板となり、がっかりしましたが、代役のミミがまた素晴らしい方で、結果には満足しています。
↑は小さくて読めませんね。当初のチラシなんで、ミミは高橋さんになっています。
雨の中、川崎へ。会場で自席(1階最後列11番の中央)についたら、この光景です!このホール、家からのアクセスがよいことからすでに何十回も足を運んでいますが、こうした光景は初めてです。そもそも、舞台が狭く、オケピットもないし、設計段階からオペラの本格公演は想定されてなかったはずです。
しかし、今回の公演は演奏会形式ではないので、相当舞台設定には苦労した筈です。全国縦断公演ということで、東京の芸劇を皮切りに7年で8公演(芸劇のみ2回)の千穐楽が川崎ということに。芸劇以外、地方のホールのことは知りませんが、多分本格オペラ上演が行われる会場は多くなかったと思われます。とすると、狭いながらの工夫は共通してされたのでしょう。
1階の客席はセンターセクションは4列ほどオケ用に確保されていました。それがギリギリだったのでしょう。ただ、このホールにはいわゆるP席があるので、この空間は上手に使われていました。
さて、開幕。年末に体調不良で引退が決まっているマエストロ井上の、おそらくこれが本格的舞台の最後となるのでしょう。登場で、すごい喝采が起こっていました。
オケはここを本拠地とする名門の東響、なんかいつも以上の名演だったように思えました。客席まではみ出しているので、音の聞こえ具合がいつもとは全然違うのです。両翼の楽器の音色が1階最後列にいて、真横から聞こえてくるようでした。壁の反響でしょう。
舞台装置、美術デザインも振り付けの森山開次さん、さらに↑のチラシのデザインも彼の作品というから、ほんとに才人なんでしょうね。正直なところを言えば、バレエダンサーが冒頭から要所要所で登場しますが、そこは若干違和感なしとはしません。どういう効果を生んでいるのか、微妙で、意見は割れるところでしょう。
装置は素晴らしかった!バックの大きなパネルの効果は抜群でした。多分、海外も含めて愚亭は本作を何十回も観ていますがその中でも強く印象に残る舞台であったのは間違いありません。
さて、出演者、ミミは中川郁文さんです。この方、関西ベースのようなので、残念ながら、愚亭には今回は初めてのような気がします。上手いです。歌唱はカンペキ!低音から高音まですこぶる安定していて、感嘆しました。自分が知らないだけで、上手い人、いくらでもいるもんだと改めて!そりゃそうですよね。(笑)不遜でした。
ロドルフォは・・・・以前から知っています。この人のデビューの時も聴いていましたし。確実に進化を遂げているのを再確認しました。身体もデビュー当時から随分大きくなっていて、驚きました。
脇を固める歌い手さんもみなさん、遜色なくお上手でした。それにしても、アルメニアやロシアからも参加していて、結構お金、かけているんでしょうね。
2月前に「こうもり」で聴いた池内響さん、マルチェッロを好演されていましたが、登場した瞬間に、「あ、こりゃ藤田嗣治!」って思いましたが、果たして↑にある通りでした。なんか、細かいところにもさまざま工夫があって、大変楽しい舞台に仕上がっていました。
それと、合唱団がまた秀逸でした。プログラムで確認すると、ソロで活躍するような方々も加わっているし、合唱指導も一流の先生ですから、むべなるかな。少年合唱隊もイキイキ、いい演唱でしたし、可愛かったです。視覚・聴覚全開で、正味2時間、たっぷりと。
前列の下手側3人はパルピニョール、アルチンドロ、ベノワですが、上手側に中核メンバーが犇くようなカーテンコールの配置は残念です。なんでマエストロと森山開次さんを挟んで、主役級がならぶようにしなかったのか。そこは、誰なんでしょうかね、仕切りは。舞台監督かなぁ。