ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ホフマン物語」@METライブビューイング

241111

本シリーズの新シーズンが始まりました。1本目はこの作品で、上映期間は1週間。やっと最終日に間に合いました。場内、ガラガラで、数えたら12名!もったいない!

毎回長丁場なので、ランチを買い込んで、幕間に出演者のインタビューなどを見ながら食べたり、飲んだり。

今回のインタビューアー、愚亭の知らない人でした。テノールベン・ブリスというアメリカ人。いくらでもいますねぇ、特にアメリカ人のオペラ歌手って。欧州系は割と知っているつもりですが。

それはともかく、今回は上映時間、約4時間!途中、舞台転換のための休憩時間はありましたが、それにしても長い!

この作品、なんども見ていますが、いずれも短縮版で、今日見たものが本来の上演なんでしょうかね。でも、幕間にインタビューを受けたMo.マルコ・アルミリアートが言っていましたが、もう少しでヴェルディアイーダやワグナーの楽劇に並ぶような大傑作オペラになるはずだった、というようなことを言っていて、何かが足らなかったみたいです。

話があっちこっちに飛ぶので、とっても分かりにくいです。それは主人公のホフマンの幻想の世界が描かれていることと、歌手が何役も兼ねていることで、余計わかりにくくなっているように思われます。以下、松竹の公式ホームページから引用してみます。

19世紀のドイツ。酔いどれ詩人のホフマンは、恋人の歌姫ステラを待つ間に自分の悲しい恋を物語る。機械人形とも知らず恋してしまったオランピア、病弱なのに歌いすぎ、命を落としたアントニア、策略を弄してホフマンの影を奪った娼婦ジュリエッタ。実は彼女たちは悪魔の化身のような男に操られていたのだが、ホフマンはそのことを知らない。そしてステラとの恋にも、邪魔が入ろうとしていた・・・。

以下の画像も同HPからお借りします。

ホフマンにずーっと寄り添うニクラウス(ミューズ)

演じるのはヴァシリーサ・ベルジャンスカヤ(これは覚えられない名前です。この方もロシア南部カフカスの出身。最近、この一帯からすごい歌手が次々に出ています)

歌唱力は確かにすばらしいのですが、舞台映えの点では、イマイチかも。

最初にそれと知らずに惚れたオランピア機械仕掛け。

この人、超絶高音を出すんだけど、歌だけでなくピアノがまたすごいのです。オランピアを歌う苦労というか、解説をピアノを弾きながらしてくれるんですが、それがなんとも凄まじい。こんな人がいるんですねぇ。いやもうびっくり!

次がアントニア。歌うと命を縮めるので父親に歌を禁じられています。

METでは馴染みのプレティ・イェンデ

 

3人目がジュリエッタ。最も妖艶て感じ。

この名前、覚えていました。前にカルメンを見ましたから。

そしてホフマンはこの人。確かにフランス人のテノールって、珍しいです。



ということで、これだけ卓抜する歌い手をごっそり集めるとは、さすがメトロポリタン歌劇場!もちろん、舞台美術、装置は他の名うての歌劇場でもちょっと真似ができないほど超豪華、センス溢れるものでした。

ところで、このオペラで最も有名な「ホフマンの舟唄」ですが、一般的にはソプラノとメゾでの二重唱ですが、ベルジャンスカヤとマルゲーヌ、メゾ同志という珍しいものでした。ベルジャンスカヤの音域の広さをはからずも証明した形でした。

次は来月、「グラウンデッド 翼を折られたパイロット」という現代もののオペラ。