241113 ドニゼッティのオペラ「連隊の娘」を2日前に見たばかりですが、今日は日生劇場で演出・美術・衣装・照明についてそれぞれの専門家による解説と舞台見学がありました。
コロナ前にもこうした機会があって参加したことがありますが、今回も非常に興味深い内容でした。
定評ある粟国演出はとりあえず措くとして、イタロ・グラッシの美術ばなしは面白かったです。子供の目線が念頭にあって、いろいろな案を探っていたようです。今回は会場が日本なので、囲碁・将棋の盤や駒、石などの案も模索したそうです。
最終的におもちゃ箱に辿り着き、背景や舞台はもちろん登場人物もおもちゃを意識して決めていったようです。そしてそれを衣装に引き継ぎ、武田久美子さんが自分なりの総意・工夫をされていったわけですが、その過程が細かく映像・動画で紹介されました。
最後に照明の稲葉直人さんが実際に助手の方に細かな指示を出しながら、色合いや照明位置について最大効果をもたらす当て方を決めていったそうで、これにも相当な時間を費やしたとのことでした。
今更ですが、総合舞台芸術の極みのオペラだけに、各分野とも半年や1年をかけて練り上げていく実態を改めて知らされました。それだけに、コロナのような事態で中止に追い込まれるようなことがどれほど手痛いことか!金銭的損失以上に精神的・心理的な痛手の方が、携わる人たちにははるかに大きいでしょうね。
上空の雲や気球は横から見れば真っ平なのですが、照明を当てて立体感を出しています。
手前はマリーの衣装。白に決めるまで、少しなやんだらしいです。