ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

初めてアーティゾン美術館へ

250416 コンサートの後は、近くのアーティゾン美術館へ。

実はここ、初めてです。以前のブリヂストン美術館の時はなんども来ていました。なんたって西洋絵画、とりわけ印象派の作品群の豪華さに惹かれていましたから。

ところが、コロナ禍で行けなくなって、その後、コロナが下火になっても、今度はあそこまで出かけるのが面倒になって、まったく行くことがなくなって数年。

その間、ほぼコロナが始まった2020年1月、全面建て替えの建物に、名称も変更、さらにコンセプトも変えての再スタートとなったわけです。興味は大いにあったのですが、予約制になったこともあり、つい足が遠のいてしまいました。

いやぁ、おどろきましたねぇ〜。ここまで大変貌を遂げていたとは想像外でした。すばらしい美術館に生まれ変わっています。入れ物もそうですが、中身もなかなか大したものです。

今は⬆︎のように企画展と常設展を巧みに融合させてゆったりと見せてくれます。先ずは6階までエレベーターで移動させ、順に降って企画展から常設展へとたどらせてくれます。

おどろいたことに、ごく一部を除いて撮影OKの大英断!それと、QRコードでダウンロードすれば、音声案内も全部ではありませんが、主要作品は自分のスマホから聴くことができるシステムが導入されています。

それらも含め、最早、スマホがないと、入館自体不便で、また音声案内もスマホのみとなっているので、高齢者にはもしかすると不評かも。昔のブリヂストン時代を懐かしむ声も聞こえそうです。

美術館、企画展の詳細はこれをみていただくと良いでしょう。→アーティゾン美術館

まずは最上階の展示ですが、この二人についての情報・知識、ゼロでした。一部割愛してHPから転載します。

テキスタイル・デザイナーとして、緻密な幾何学的形態による構成を、絵画や室内空間へと領域を横断しつつ追求したゾフィー・トイバー=アルプ(1889–1943)と、詩人としての顔をもちながら、偶然的に生まれる形態に基づき、コラージュやレリーフ、彫刻を制作したその夫、ジャン・アルプ(1886–1966)。このカップルの個々の創作活動を紹介するとともに、両者がそれぞれの制作に及ぼした影響や協働制作の試みに目を向けるもの。計88点を出品

亭主のジャンの作品にはこうした立体的な遊び心いっぱいのものが多いです。「花の頭部を持つトルソ」1924年

偶然出会ったスイス人とドイツ人(と言ってもストラスブール生まれだから、半分フランス人。名前もフランス風)が意気投合して協作活動を展開、ゾフィーが不慮の事故で亡くなってから、孤独に耐えながらも制作を続けたジャンの心境がそのまま投影され、二人の絆の深さが感じられます。

25/4/29朝日朝刊掲載記事

6階からエスカレーターで一つ下がって、今度は硲 伊之助の展覧会です。

同館のHPから抜粋して紹介しますと・・・

1895年、東京市本所区向島に出生。1912年、16歳のときに画壇デビュー、二科賞を二度受賞するなど活躍。1921年に渡欧、マティスと出会い、教えを乞う。1929年に帰国、春陽会や二科会での活動の他、井伏鱒二『仕事部屋』(春陽堂)など書籍の装丁や新聞連載小説の挿絵を担当。1933年、再渡仏。1936年、一水会を創立。1938年と1940年、従軍画家として中国へ。1941年、文化学院美術部長となる。1945年、東京大空襲により、本郷のアトリエを焼失。1950年、東京藝術大学助教授となる。同年、マティス招請され渡欧し、マティス展、ピカソ展、ブラック展、ゴッホ展にむけた折衝を行う。帰国後、作陶を学ぶため、1951年頃よりたびたび小松に滞在。1958年、一水会陶芸部を創立。1961年、加賀市吸坂で窯の建設に着手。1964年、渡欧。翌年、アルバニアを訪問。1977年81歳にて死去。

恥ずかしながら、この画家のことは、昔チラッと名前を聞いた程度の知識しかありませんでしたが、いやはや凄い人がいたものです。

サント・ヴィクトワール山。1925  言わずと知れた、セザンヌが繰り返し描いた風景です。色調といい構図といい、対象を塊で捉える手法といい、素晴らしいです。これ一枚見ただけで、印象派の影響がもろに出ているのが分かります。

「燈火」1942 硲伊之助美術館

これがまたサイコーの作品。強く惹かれます。

「ニース海岸通 1935  硲伊之助美術館

この美術館、4、5階の一部が吹き抜けになっているので、階下の壁面が見えたり

「青い胴着の女」アンリ・マチス 1935

この展覧会の構成の素晴らしさは、途中から硲伊之助が影響を受けた、あるいは交流のあったマチスピカソ、ブラックなどの作品が合間合間に展示されていることです。

「樹間の憩い」1919 アンリ・マチス

ということで、硲伊之助の作品を楽しんでいるうちに、いつのまにか石橋財団コレクションに自然に移行するという流れで、4階は従来から当館が所蔵する常設展ということで、3フロアに亘ってじっくり楽しめました。これで@¥1,800は安いものです。

出入口は昔のブリヂストンとは反対側の中央通り側に。

1階のロビー、これがまたオシャレな空間になっています。