250706 ヴェルディのオペラ作品のみを扱っているこの歌劇団、回を重ねて今回が11回目。愚亭は6回からずーっと鑑賞しています。

この作品は初見です。ヴェルディのオペラ26作のうち、6作目、初期の傑作とされています。でも、あまり公演されない作品のようです。日本初演は抜粋公演などはあったようですが、本格公演は2002年の琵琶湖ホールが最初というから、やはり滅多に公演されないことが分かります。
なにかそれなりの理由があるのでしょうが、よく分かりません。多分、私見ながら、あまり人気がないのではないでしょうか?というのも、これぞ!という名曲がいささか乏しいように感じられました。
ついでに言えば、中世のスペインの話はいいとして、展開にメリハリがなく、なんとなく凡庸というふうに見受けました。原作はヴィクトル・ユーゴの「エルナニ」ということなので、原作はつまらなかった?とは言えません。読んでいませんし。
そうなると、台本と作曲に責任ありそうですが、でもまあ、いかにもヴェルディらしい力強い重唱やアリアが随所に出てきて、バレエが出たり、素晴らしい合唱場面もふんだんにあったり。
それと、今回はあれ?と思うほど、迫(せ)りが使われていて、あまりこれまで見たことがなかったんで、ちょっとびっくりでした。それも合唱団ごと上げたり下げたりで、効果的でした。
1幕の舞台はきわめてそっけないというか簡素というか、たんに大きな一枚の幕というか布を上からいくつかのワイヤーで吊るして、それの上げ下ろしと、照明で変化をつける手法とっていました。
2~4幕では、見事に描かれた垂れ幕をうまく使って臨場感あふれる舞台背景を構築していて、これはこれで大変迫力がありました。うまい組み合わせだと感心しました。

この山島達夫さんは前にも触れたと思いますが、同じ中学・高校のウン10年も後輩に当たるということが、ある時点で分かりまして以来、欠かさずこのシリーズは観に来るようになりました。
国際弁護士をやりながら、自らオペラ団を率いて毎年公演するのですから、並大抵のことではありません。ダブルキャストでの2公演、それもこうしたグランドオペラで開催するので、費用も半端ないし、仮に赤が出れば彼が自分のポケットマネーで補填するって聞いたことがあります。そこまでして、この後もひたすらヴェルディ先生を追うようです。

キャスト陣、いずれおとらぬ芸達者ぶりで、満足でした。たまたま石井さんと井出さんは、今年5/4、アプリコ大ホールでの第九のソリストとして出演され、愚亭も同じ舞台で合唱団におりました。
石井基幾さん、このところ進境著しい活躍ぶり。つややかで、まろやかな高音は魅力たっぷり。ただ欲を言えば、タイトルロールとしては、もう少し太い声もよかったかな、な〜んて素人の勝手な感想、失礼しました!
井出壮志朗さんは、デビュー時から知っていますので、ほんと、その都度、進化を続けているのをひしひし感じます。すばらしいです。
中村真紀さんも、2009年のデビューの頃を知っていて、ほんとに久しぶりに生で聞きましたが、さすがに上手になっていますねぇ。高音の、糸を引くようなきれいな発声にはまいりました。
加藤宏隆さん、何年か前に一度だけ、小さな演奏会でお聞きしてその豊かな低音に圧倒されたのをよく覚えています。今回も期待通りのシルヴァを演じられまして、満足でした。ルーナ伯爵、リゴレットやイヤーゴも聴いてみたいです。
それと、端役ながらヤーゴの奥秋大樹さん、すっごい声の持ち主です。ぜひ、主役をやってほしいです。逸材だと思いますね。
合唱よかったです。羨ましいです、こんな舞台に立てたなんて。愚亭も所属する合唱団から女性中心に10人近く参加されたようでした。

演出ノートの中の✅、とくに二つ目が面白いですねぇ。”ザ・オペラ”ですって!

⬆︎今回もこの漫画仕立ての筋書き解説が愉快でした。確かに、こういうのってイメージしやすいので、いい考えだと思いました。


カーテンコールではじゃんじゃん撮影してSNS等で宣伝してください、と冒頭の挨拶の中でマエストロから案内があったので、掲載します。