ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「フランス特殊部隊 GIGN(ジェイジェン) ~エールフランス8969便ハイジャック事件~ 」@AmazonPrime

250712 仏 2010 L'Assault (襲撃、急襲)監督:ジュリアン・ルクレルク

よくできています。手に汗握るという迫真さ、すごいです。これは、1994年12月、アルジェリアからパリへ向けて離陸しようとしていたエールフランス8969便が、イスラム武装組織によってハイジャックされた実際の事件を映画化したサスペンス・アクションで、公開当初から高い評価を受けた作品です。

まず冒頭、モノクロームかと思ったのですが、ぎりぎりまで彩度を下げて撮影しているのが実に効果的です。カメラアングルはもちろん、バックに流れる通奏低音も迫真性増加に貢献しています。

日頃、猛特訓を受けている特殊部隊に、いよいよ出動する時が。緊張する隊員、とくに指導的立場の男に焦点をあてて、少しですが、家庭環境を紹介していて、これも一部とは言え、緊張感を与えます。突入後のテレビ映像に釘付けになっている人たちの中に、この隊長の奥さんもいて、その表情を克明にカメラがとらえます。

突入直前に用意する棺桶の数を確認する場面が。政府の対策本部の部長が電話に答えます。乗客30、隊員10と。これは予測される死者の数で、さっそくそれに沿って棺桶が用意されるという周到さ。日本ではこんなことはあり得ないと思われます。

そこまでの覚悟を見せるということでしょうか。実際に、機内突入後、予想を遥かに上回る銃撃戦が展開され、くだんの隊長も瀕死の重傷を負います。どうやら、その後、辛くも一名は取り止め、出世はしたようで、エンドロールのテロップでその後、昇進と知って、ホッとしたり。

この種のハイジャックを扱った作品は数々あれど、これほど迫真性の高い作品は珍しいと思いました。

犠牲者が出したものの、この飛行機、エッフェル塔に体当たりしろと命じられる可能性があったそうで、まさに911を思わせる事件性にぞっとしました。