260504 LA VITA VA COSÌ 1h58m 2025 監督:リッカルド・ミラーニ

久しぶりにイタリア映画祭に行ってきました。
今は配信でも見られる作品も増えてきているので、ここまで足を運ばなくてもすむ作品が多くなっています。また、いずれ一般映画館で公開予定という作品も少なくありません。映画祭でしか見られない作品群の中で、今回はこれを選びました。

サルデニア島が舞台です。南東部の美しい海岸で、素朴に暮らす年老いた牛飼が主人公、エフィージオです。彼の日課は所有する10頭ほどの牛を海岸で放牧し、また自宅のある牛舎に連れ戻すだけで、あとはぼーっと手付かずの美しい海を日がな一日見て過ごしています。
そんな中、ミラノの開発投資会社がこの辺に5星ホテルを中心にした一大リゾートを作ることを計画、代理人に現地に行かせて、このエフィージオという地主の爺さんとの交渉を始めるんですが・・・言葉がまったく通じないので、当初から難航します。
たまたま帰宅した娘が通訳をしてくれて、やっと交渉スタート、数千万円の提示から最後はとうとう20億円にまで釣り上がりますが、それでも首を縦に振ることはありません。
お金なんかいくらあったってそのうち消えちまう、土地は先祖から受け継ぎ、子孫に残すもの、わしが住むかぎり、取引には一切応じないと。
そのうちに、開発で街に入る金を当てにした開発賛成派の有象無象が交渉に加わり、果ては司教まで登場する始末。頑固一徹なエフィージオに腹を立てた住民たちは、この一家にいじわるしたりで、街の雰囲気が妙な方向へと。
スッタモンダの挙句、ついには開発会社の社長が直接乗り込んでくることにもなるのですが・・・。
これは実際にあった話だそうです。終盤、ビーチで楽しむ家族や、張本人のエフィージオの水遊びの姿も。結局、開発業者は裁判でも負けて、ついに一部完成している建造物を取り壊し、もとの自然の状態に戻す沙汰が下って、幕。
ラストシーンは、音楽担当のエドアルド・ベンナートがハーモニカ奏者でもあるので、彼の演奏に合わせて出演者全員が街の真ん中の広場に集結して、踊りまくります。エフィージオだけは小難しい顔をしたまま、じっと中央に座ったままです。
この爺さんを演じたのは案の定、プロの俳優ではなく地元の一般人だそうです。素晴らしい演技というか、圧倒的な存在感を示しました。彼をスカウトしたミラーニ監督も大したものです。