260624 これ、やっと行ってきました。

ワイエス(1917-2009)は、過去何度か日本で公開されていますので、結構愚亭には馴染みの画家です。

最初の展示は、この若き日の自画像です。もういきなり独特の世界観が示されていますね。背景は灰色の空です。寒々と荒涼たる野っ原が広がっています。寒そうに襟を立てたワイエス、視線の先はなんでしょうか。暗い表情で、なにかを探し求めているようですね。


人物そのものより人物にまつわる道具とか家具を対象にして描いています。

ほどんどモノトーンで描いていますが、時折このように鮮やかな色彩が混じります。ハッとする感じで、鮮烈な印象を残します。

珍しい題材です。氷の張った水面、底に沈んだ枯葉、でも1枚だけ、表面に乗っています。何かを暗示しているようです。

ずーっと興味を抱いていた隣家のオルソン家。オルソン家の姉と弟とは懇意にしていたようです。何枚も彼らを描いています。この屋根ですが、そのオルソン家がついに住む人がいなくなってしまった後の、寂れた姿を壊れかけた煙突が象徴しているようです。

なぜか3階に展示された作品は撮影OKだったので、1枚だけ撮りました。彼の作品の中では珍しく明るい色彩が際立っています。

計100点を超える展示でした。小品がほとんどで、テンペラ画、紙に水彩がほとんどで、油彩は1点もありませんでした。
以下に公式HPから抜粋して概要を紹介します。
20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家アンドリュー・ワイエス(1917-2009)。第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けました。その作品は眼前にある情景の単なる再現描写にとどまるものではなく、作家自身の精神世界が反映されたものとなっています。彼の作品には、窓やドアなど、ある種の境界を示すモティーフが数多く描かれます。境界は、西洋絵画史のなかで古くから取り上げられてきたテーマですが、ワイエスにとってはより私的な世界との繋がり、あるいは境目として機能しています。本展は、その境界の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見ていこうとするものです。
- 1. ワイエスの没後、日本初となる待望の回顧展
1974年に東京と京都で33万人を集めた日本で最初の個展以来、1995年、そして2008~9年にもワイエスの展覧会が開催され、日本でのワイエス人気は不動のものになりました。本展はワイエス没後はじめてとなる、国内待望の展覧会となります。 - 2. テーマは「境界」。アンドリュー・ワイエスの精神世界へ
ワイエスの作品には窓や扉など、「境界」を示すモティーフがたびたび表れます。それらはワイエスにとって生と死、画家自身の精神世界と外の世界をつなぐものだったと考えられます。本展では「境界」に着目し、彼の作品を見つめ直します。 - 3. 日本初公開となる作品多数
ホイットニー美術館(ニューヨーク)の《冬の野》(1942年)、フィラデルフィア美術館の《冷却小屋》(1953年)、フィルブルック美術館の《乗船の一行》(1984年)をはじめ、10点以上が日本初公開。あらためてワイエスの魅力にふれる機会となるでしょう。