ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「箱の中の羊」@TOHOシネマズ大井町

260702  2h6m  2026  原案・脚本・監督・編集:是枝裕和

カンヌ映画祭コンペティション部門出品作品の一つ。ちなみに日本から3本も出品!当映画祭常連の是枝さんだが、今回は受賞を逃しました。

結論から言うと、さもありなんと愚亭は感じました。家族愛を基本に据えたところは彼の従来の作品に通底するところですが、本作は近未来の内容で、我が子をなくした夫婦が我が子そっくりに作られたヒューマノイドを、息子の事故死からだいぶ経ってから、家に向かい入れるという内容です。

難しい、際どい内容で、果たしてカンヌの審査員たちにどう映ったのか、終映後の拍手なりやまず、スタンディング・オヴェーションも延々と続いたとは聞いていますが・・・。

愚亭もあまり評価しません。やはりつかみどころがない、というのが正直なところです。夫婦はさんざん結論を得るまでなやみます。そりゃそうでしょう、ヒューマノイドとは言え、かぎりなく生身の人間に近い存在だけに、コトは慎重に運ぶ必要、ありますよね。

綾瀬はるか演じる妻、音々は積極論、大悟演じる夫、健介は消極派。で、やってきました。「お帰り!」と優しく迎える音々、「自分のことはパパでなくおじさんと呼べば?」と、やや控えめに迎える健介。でも、あまりに精巧に作られているので、徐々に感情移入していきます。

ですが、飲み食いなし、水には触れられない、睡眠は椅子型充電器の上に座って過ごすという制限付きなんで、やがて破綻が来るだろうことは、容易に想像がつきます。

不思議なのは精巧なのは外形的なことだけでなく、亡くなったカケルが生前体験していたことがらがすべからくインプットされているから、結構、普通の会話ができるんですね。

それだけに、時には親の方がイラっとさせられるような状況にもなり、カケルの方も、この”両親”より、ヒューマノイド仲間との連帯感が生まれて、どんどん関係が冷めていき、やがて・・・。

先が読めるとは言え、ラストはどうにもよく理解できません。なんとも消化不良のまま、見終わったという、モヤモヤのまま帰路に。

千鳥の大悟の演技は大したものでした。綾瀬はるかは、まあこんなもんでしょう。そして、カケルになった子役、いかにもヒューマノイドという、無機質でつるんとした、こんな子がいるんですね。是枝監督が見つけてきたんですかね。大したキャスティング!

ちなみに、館内、ガラガラでした。