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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「奇蹟がくれた数式」

映画

161026 原題:THE MAN WHO KNEW INFINITY(無限大を知っていた男)英国 108分 脚本・監督:マシュー・ブラウン(監督2作目)

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実話をもとにした作品。時代は1914年だから、第1次大戦直前の話。

英国統治下にあったインド、それも貧しい南部のマドラスにいた天才数学者ラマヌジャンデブ・パテル)、自分の才能を知ってもらおうと、あちこちに手紙を出すが、相手にすらしてもらえない。このままでは、この天才もマドラスで無名のままで一生を終えただろう。しかも案外幸せで終えた可能性の方が大きい。

しかし、何やらすごい才能の持ち主と気づいた男が上司に取次ぎ、さらにその話が英国まで伝わり、ケンブリッジのハーディー教授(ジェレミー・アイアンズ)の知るところとなる。これぞ、まるで奇跡ではないか。

植民地で暮らす一介のインド人が、あの時代にどんな扱いを受けていたかは想像に難くない。そんな様々な試練を乗り越えて、ついに前人未到の高みを極めるのだが、そのために払った犠牲もまた多かった。

何よりも自らの命を削り、とうとうロイヤルアカデミーの会員に推挙されるという、およそ前代未聞の”事件”まで引き起こした後、念願の祖国に錦を飾り、新婚のまま置き去りにした妻との再会を果たすものの、その僅か1年後に没するという悲劇で終わる。享年33とは!

偶然に幸運を掴み取る、あるいはつかみ取れるず能力のある人物を表すセレンディピティという言葉があるが、それが幾重にも重なった結果だが、中でもハーディー(ジェレミー・アイアンズ)との巡り会いが大きい。彼には、ラマヌジャンの凄さを見抜く透徹した”目”があったのだ。

友人と呼び合っていたが、それはあたかも父子のように愛情深いものであったようだ。二人を演じたジェレミー・アイアンズデヴ・パテル、この二人以外には到底考えられない文句なしのキャスティングで、この映画の成功はこのキャスティングにかかっていたと言っても過言でないような気さえする。

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当然と言えば当然だが、数学の数式と専門用語が飛び交うから、素人には何のことやらさっぱり。数学の専門家が見れば、興味は一般人より倍加するのは間違いない。

#80 画像はIMdbから。