ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「フィガロに恋して」@AmazonPrime

241209 FALLING FOR FIGARO 2020 英米豪 1h44m 脚本・監督:ベン・リュウイン(1946ポーランド生まれ、3歳の時に家族と豪に移住、「セッションズ」2012)

タイトルに釣られて見ました。なかなかよかったです。物語は単純です。ロンドンの証券会社でそこそこ頑張って、ボーイフレンドもいて一応なに不自由のない暮らし向の主人公、ミリー(ダニエル・マクドナルド)が、突如、何を思ったかすべてを放り出してスコットランドへ。

たまたま見たオペラの世界にハマり込み、噂を聞いて、弟子を取らないと公言している元名ソプラノの元へ押しかけ、無理やり住み着いて、新人賞獲得を目指すというもの。

なんの声楽の基礎もないので、無茶苦茶な話だんですが、そこはまあ、大目に見て、1年で予選を勝ち抜いてしまうのですが・・・・

話は単純極まりないのですが、スコットランドの村の情景が素晴らしいのと、ミリー役のぽっちゃり女優が可愛らしくて、最後まで楽しんで視聴しました。当然、登場する数々のオペラ・アリアも楽しめました。ほっこり系、たまにはいいですね。

世田谷第九に参加しました。

241206 超大至急募集があり、たまたま空いていたので応募しました。本番当日からの参加は初めてです。先日のフラッシュ・モブですら、少し前に練習がありましたから。

2公演あるのですが、さすがにこの時期に郡山往復は遠慮させてもらいました。

主催は9月の青山公園でのフラッシュ・モブの時と同じゲイツオン社です。

会場は新装なったばかりの世田谷区民会館ホールです!老朽化、狭隘化により以前から建て替えが検討されていたのものですが、やっと今年の9月にリニューアル・オープンに漕ぎつけたばかり。まさにピッカピカです。

世田谷線も久しぶりでした。
中高6年間、前身の玉電と呼ばれていた時代は散々お世話になりました。

この会館がオープンしたのは昭和34年、愚亭が高校生の時で、世田谷住民だったので、区役所にもホールにも何度も通ったことがあります。文化都市のつもりでも、ちょっとした大掛かりな公演はなんと三宿昭和女子大にある人見記念講堂を使ってお茶を濁すような状況でしただけに、これでやっとなんとか体面を保てそうです。

でも、収容力933というのはちょっと寂しいです。我が大田区ですら1,700席を超えるアプリコ大ホールがありますからねぇ。

それはともかく・・・合唱団もソリストと一緒に3楽章終了時に入場したので、結構遅くまで控室待機でした。聴衆は残念ながら、概ね半分ぐらいでしたかねぇ。まあ、なんども似たような経験したるので、どうということはありません。

控室に戻る途中、ソリストさんたちの撮影をしていたので、
割り込ませてもらいました。センターはゲイツオンの上野社長です。

帰路は道を間違えて松陰神社前でなく、隣の世田谷駅からの乗車になったりで、帰宅は11時直前でした。(笑)

「シャイニング」@AmazonPrime

241206 THE SHINING 米 1980 2h26m 原作:スティーブン・キング、脚本・監督:スタンリー・キューブリック

アマゾン・プライムで作品を見終わると、次回視聴候補としてのオファーが右隅に出てきます。今回は、その通りにしてみました。こちらもかなりの話題作で、これはさすがにリアルタイムで見ていますが、あまり覚えていませんでした。

原作未読ですが、キューブリックが相当変えているようです。原作者は気に入らなかったようですが、映画としては成功しているのでは?

こちらでは、ベルリオーズの「幻想交響曲」第5楽章からのトロンボーンの低音が響きます。ちなみにタイトルのシャイニングは超能力というふうに映画の中では紹介されています。

作家のジャック、その妻ウェンディ、息子のダニーは冬山にある広大なホテルの冬季管理人を引き受け、静かな環境で一気に小説を書き上げようという魂胆でしたが・・・。

ま、とんでもない展開となっていくわけです。つっこみどころ、満載ですが、やはりジャック・ニコルソンの怪演に尽きる作品という理解でいいのでは?怖いですが、「時計じかけ」ほどの嫌味はないです。

他にカメラワークが冴え渡っていますね。

「時計じかけのオレンジ」@AmazonPrime

241205 A CLOCKWORK ORANGE 1971 英米 2h16m 監督・製作・脚本:スタンリー・キューブリック

センセーショナルだったポスター図柄

80過ぎてから初見とは我ながら驚きます。1971年の公開時、愚亭はパリに赴任したばかり。この特異なポスターは鮮明に覚えているのに、なぜか見ていません。当時、20代だった愚亭にはあまりにも先鋭的に映ったからでしょうか、分かりません。

キューブリックの作品は高校時代に見た「突撃」(1957)、大学入学後に見た「スパルタカス」(1961)、社会人になってから見た「2001年宇宙の旅」(1968)、いずれもその時、その時でかなりの衝撃を受けた作品ばかりです。尤も「2001年・・・」は、あまり理解していたとは思いませんが。

その直後に作られたのが本作です。その後の話題作、「シャイニング」('80)、「フルメタル・ジャケット」(('87)、遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」('99没年)と鑑賞しています。後年はやや玉石混交気味だったようです。

こうしてみると、やはり鬼才であったのは間違いないですねぇ。多作ではないのに、これだけ話題作を撮り続けたのですから。

さて、本作、幕開けから強烈な原色のタイトルバックで強い印象を受けます。舞台はイギリス、無法者集団、4人組のリーダー、アレックス(マルコム・マクダウエル)が仲間とヴァイオレンス、レイプ、さらには殺人までとエスカレートして、当然とっつかまり、裁きを受け服役。凶暴性!、凶悪製、倫理観のかけらもないある種モンスター

彼の異常性に目をつけた政府から更生プログラムの実験に利用されるのですが、一種拷問に近い生体実験は正視できない嫌な流れです。この実験参加を条件に刑期を短縮して娑婆に出てきたアレックスを待ってたものは・・・

見終わっての不快感に近い疲労感、あまり味わったことがないです。それでもキューブリックの偉大さは認めざるを得ません。こんな作品を50年以上も前に造っちまったんですから。あ〜〜疲れた!それにしても、劇中で使われたベートーベンの第九、効果的でした!

主人公を演じたマルコム・マクダウエル、近年、配信でみた「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」で見ましたが、かなりの変貌ぶり(当然!)で、さすがの愚亭も同一人物とは気付きませんでした。

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「刑事フォイル」@AmazonPrime

241204 Foyle's War 英国の人気TVドラマシリーズ かつてNHK総合で放映され、見てましたが、懐かしさもあって、シーズン1を見始めました。

英国製の刑事モノは実に多く配信されていて、愚亭もこれまで随分いろいろ見ていますが、この作品は、時代設定が第2次大戦初期ということで、かなり毛色が他の刑事物とは異なります。

それと、主人公フォイルに扮するマイケル・キッチンが温かみがあって味のある人物なのも「売り」でしょう。刑事が一般的に纏うような雰囲気がまったく感じられずに、その辺にいる好々爺風であり、優しいお父さん、そして部下思いの上司というところでしょうか。

そして、もう一つの魅力が彼の運転手役になるサマンサ、通称サムを演じるハニーサックル・ウィークスという女優です。赤毛、そばかすだらけで、いわゆる美人女優とは異なるタイプですが、頭の回転が速く、素直で快活そのもの!

さらに、冒頭に流れるオーボエ主体のメインテーマのメロディーがなんとも心地よいのです。冒頭だけでなく、随所に変奏曲が奏でられ、効果的にストーリーを盛り上げます。

残念ながら、無料配信はシーズン1の4話まで、ということですが、いずれ全編が無料配信になるでしょう。