ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ファースター 怒りの銃弾」@AmazonPrime

260613  FASTER  米 2011  1h38m  監督:ジョージ・ティルマン Jr. 

10年の実刑を喰らって出所した男の向かう先は?典型的な復讐劇です。兄を殺した一味を全員殺害する男、ドライバー(ドゥエイン・ジョンソン)がカッコ良すぎます。

彼と最後まで絡む謎の刑事にビリー・ボブ・ソーントンという異色の組み合わせ!これが上手く噛み合って見どころ満載の男性映画です。

2度も至近距離で後頭部を銃撃されても、奇跡的に助かるって、一体、どんな頭してんの?!て突っ込みますよね、そりゃ。そこだけ、あまりに荒唐無稽で。その嘘っぽさがなければ、けっこう良かったのにと、ちょっと残念でした。

ま、テンポもよく、長すぎず、全体的にはまあまあの作品で、時間の無駄にはなりませんでしたね。

「スパイダー・ノワール」@AmazonPrime

260612  2026年、つまり最新のTVドラマです。全8話。1話が50分と見やすい設定です。監督:オーレン・ウジエル

たまたま見ることになったMarvel作品です。IMDbの評価が8という高評価だったものですから、つい見始めてしまいました。これがなかなか面白いのです。愚亭は特にスパイダーマンやらマーベル映画のファンではないですが。

もう一つ、見る気になったのはニコラス・ケイジが主役をやっていることです。1964年生まれですから、現在62!アクションをやる体力もないので、ちょっと頑張ると息切れがする設定になっていて、結構笑えます。つまりかっこう悪いスパイダーマンという役どころです。

時代は第1次大戦後、禁酒法のアメリカです。欧州戦線で戦ったベン・ライリー(ニコラス・ケイジ)は、ドイツ軍の捕虜になっていた友軍兵士の救助にあたり、そこで、戦慄すべき人体実験が行われた事実に行き着きます。その過程で、患者の1人、蜘蛛の能力を植え付けられた兵士に噛まれたことで、彼自身、後にスパイダーマンの高い能力を持つに至ります。

普段は、ニューヨークにオフィスを構えるベン・ライリー探偵事務所で、持ち込まれた案件処理に追われています。ところが、ある事件をきっかけに、彼同様、とんでもない能力を植え付けられた従軍時代の仲間たちと遭遇します。彼らは暗黒街のボスが暗躍する事件に首を突っ込むことになり、例の人体実験の恐ろしい事件の解明に挑むことになります。

映像の出来栄えがすばらしいです。そして1930年代の街の雰囲気がうまく撮影されていて、どんどん引き込まれます。ニコラス・ケイジも、もちまえのヒューモラスな演技が冴え渡ります。それなりに楽しめた作品でした。

ただですねぇ、かなりキモいシーンもありますよ。特に愚亭も大嫌いな蜘蛛のでてくるシーンとか・・・。

ホームドクターはアート・コレクター!

260612 前に一度、ここで紹介していますので、重複します。

我が家のかかりつけ医は、建物そのものもえらい凝ったシロモノですが、内部もまたクリニックにしては、大変斬新なデザインになっています。

ついでに、院長が美術愛好家で、収集物が世界的な作品、多数というわけで、アンディ・ウォーホルの作品も何点か所蔵していまして、いくつかを院内に展示しています。

待合室にはこのような豪華なお花が、それも1週間ごとに代わりますからねぇ、すごいのですよ。

展示作品の一つがこれです。1983年、アンディ・ウォーホルのシルク・スクリーンです。帽子を被ったイングリット・バーグマン。おそらくは、カサブランカの時のポーズではないかと思われます。

最近、あまり新規購入をしていない様子なので、聞いてみたら、やはり昨今の円安傾向ではとても手がでないとおっしゃっていました。確かに病院経営も厳しい時代ですから、せっせと美術品を購入するわけにも、いかない事情があるかもですね。(笑)

まさかの救急車さわぎ

260610 昨日の朝、めずらしく片頭痛気味、しかもかすかに吐き気も。ほとんど頭痛なしで、この年まで過ごしてきたので、実に珍しいことです。

ま、でも、大したこともなく、普段通りに過ごしていたら徐々にそれらの症状も治ってきたので、かねてから行こうとおもっていた国立西洋美術館行きを決行、気分もよく帰宅して、すこし昼寝もしてから、夕食の準備にかかり、いつものように他の家族はジンジャー・エール、愚亭は缶ビール(350m)と、まあ、ここまではノートラブル。

ところが、しばらくすると、急に気分が悪くなり、自室で横になっていたのですが、吐き気と片頭痛に襲われ、娘がスマホで検索した結果、片頭痛と吐き気が同時に急発症するのは、もしかすると脳梗塞か脳出血かと思ったようで、すぐに救急車を手配。

近くの大森日赤へ担ぎ込まれました。精密検査の結果、セーフということに。依然、偏頭痛の吐き気は続いていましたが、なんとか症状が落ち着いたので、帰宅。

一夜、明けてすっきりとしましたので、問題はなさそうです。アルコールで血管が拡張して一気に症状が出たのかも知れません。今日からしばらくノーアルコールにします。

それにしても、今年は救急車にはよくよく縁があるようで、この先が思いやられます。姉の米寿祝いで、兄と3人で会食したのが、1月下旬。その後、姉が硬膜化出血で救急車の世話になり、4月は兄が悪性リンパ腫の疑いで救急車で運ばれ、今月は、愚亭自身という具合。

さらに家内が1月に食欲不振と体力低下のところで、愚亭の風邪がうつり、動けなくなってしまったので、救急車で搬送されていますから、身内だけで、実に4回も!!なんという年でしょうか!!

久しぶりに美術館へ

260610

この読みにくい、というか覚えにくい名前の画家の作品展に行きました。会期がごくわずかとなったので、体調、あまりすぐれない中、上野まで。(この無理がたたって、この夜、救急車騒ぎになるとは!)

⬆︎のポスター、ぜひ拡大して見ていただきたいです。とにかくかなり愚亭にとっては風変わりな画家でした。リトアニア出身の画家で日本で知られている人、多くはないでしょうけど、こういう、言っちゃなんですが、へんな作風の人がいるとは。この美術館もよく思い切って取り上げたものです。では、なんてんか、写真撮りましたので・・・。

入りはこの程度、やはり午後のいい時間なのですが、まばら、という感じでした。そりゃ、この画家を知っている人、まずほとんどいないはずですから。

説明文を読んでもそもそも国そのものにそれほど馴染みがありませんから、なかなかイメージが湧きにくいのですよ。色調といいフォルムといい、大変幻想的で、他の西洋絵画とは明らかに一線を画している印象を受けました。

どうですか、この奇抜さは。

これは、一転、タイトルそのものが「おとぎ話」ですから、いかにもそれらしくてよく分かります。

1番の大作です。↓こんな説明が。

これで、チュルリョーニス展を終え、次は葛飾北斎の企画展へ移動しました。

HPの中の関連の解説を以下に貼り付けます。

本展は、2024 年に井内コレクションより当館に寄託された北斎の『冨嶽三十六景』(1830‒33年頃)を初披露する展覧会です。本シリーズ全46図を一挙に公開するとともに、特に高い人気を誇る2図については、それぞれ異なる摺りが1点ずつ加わります。追加されるのは、現存作の中でも際立って摺りと保存状態に優れた「神奈川沖浪裏」と、“赤富士”として知られる「凱風快晴」の希少な色変わり版、通称“青富士”の2点です。本展ではこれら合計48点を、十文字学園女子大学教授・樋口一貴氏の監修のもと、本シリーズの版下絵が描かれた順序を辿る6つのグループに分けて展示します。西洋美術を専門とする当館で北斎の代表作をご覧いただくことで、彼の作品が西洋近代の芸術家たちを惹きつけた歴史に思いを馳せつつ、その魅力を再発見していただく機会となれば幸いです。

また本展では、3点の作品を表裏両面から鑑賞できる展示方法を採用します。江戸の人々が浮世絵版画を手に取り、表や裏を返しながら楽しんだ感覚を、ぜひ追体験していただければと思います。

ということで、興味深い試みがされていました。これは、会場で見てもらうしかありません。

その後は、いつものように常設館へ。何度訪れてもいいところで、時に企画展以上にわくわくするのが常設展。それほど、世界的に見ても、ここは西洋絵画が充実した美術館と言えると思っています。こういうところが、簡単に行けるのがありがたいです。

ル・コルビュジエ(チャルル=エドアール・ジャンヌレ)の、日本で唯一の本格作品である入口付近からゆったりと階段で2階へと誘われます。こういうところをじっくりと楽しみたいものです。

彼の目指した開放感のある内部には、こうした試みが。うまく自然光を取り入れる工夫が見られます。

正面は当初の計画では、一体でル・コルビュジエに設計を任せようとしていたのですが、予算の都合でそちらの方は弟子の前川國男が設計することに。こうして見ると、見事に一体感が生まれていることがよく分かります。

現在、3年掛で大規模改修工事に入った東京文化会館の横の部分です。ここは西洋美術館の出入り口。

引かれた直線はそのまま文化会館へと向かうように設計されています。

では、常設館へ。

最初のコーナーにある「聖ヴェロニカ」。15世紀後半 フィレンツェ派。テンペラ、板。伝説では、重い十字架を背負ったキリストがゴルゴダの丘を目指して歩いている時に、ヴェロニカが布で顔の汗を拭ったら、 後に布にキリストの顔が、ということで、聖骸布として遺ったことに。ちなみに、トリノのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂付属の礼拝堂に聖骸布が厳重に保管されているということです。

一番最初に目に触れる作品がこれです。素朴さが大変素敵で、お気に入りの作品。

今回、新収蔵作品が7点もあって、ちょっと驚きました。ご承知のように、国は美術館に対し、自ら運営を工夫して収益増を図れというふうに舵をきっているので、実は弱小の美術館は火の車らしいです。その点、東京の美術館は恵まれていて、特に上野周辺の美術館・博物館はいつも潤っているようで、だからこそ、7点も新しく購入しているのでしょうかね。

一見して、セザンヌの作品とは、なかなか思わないですよねぇ。初期の作品らしいですが、こういう主題を作品にすること自体、かなり珍しいと言えそうです。

これは、すごく大きな絵ですが、ご覧のように半分以上がはげ落ちています。↓の説明にあるように、悲運だったとしかいいようがありません。

これも珍しい作品です。ゴーガンがこういう作品を残しています。海辺ということは、一時期を過ごしたブルターニュのポンタヴェンでしょうか。

↓作品、そのものは撮影禁止となっていたので、説明だけです。クリムトもこういう作品を残していたんだという、ちょっとした驚きの作品。極めて写実的な女性の顔でした。以前から収蔵していて、修復中だったり、その他の理由から展示されていない作品を新たに見せてくれた作品も何点かありました。こういう変化があるから、常設館は飽きることがありませんね。

というわけで、企画展、常設展、ル・コルビュジエの作品をじっくり鑑賞して、2時間半ばかりで帰路につきました。