241205 A CLOCKWORK ORANGE 1971 英米 2h16m 監督・製作・脚本:スタンリー・キューブリック
80過ぎてから初見とは我ながら驚きます。1971年の公開時、愚亭はパリに赴任したばかり。この特異なポスターは鮮明に覚えているのに、なぜか見ていません。当時、20代だった愚亭にはあまりにも先鋭的に映ったからでしょうか、分かりません。
キューブリックの作品は高校時代に見た「突撃」(1957)、大学入学後に見た「スパルタカス」(1961)、社会人になってから見た「2001年宇宙の旅」(1968)、いずれもその時、その時でかなりの衝撃を受けた作品ばかりです。尤も「2001年・・・」は、あまり理解していたとは思いませんが。
その直後に作られたのが本作です。その後の話題作、「シャイニング」('80)、「フルメタル・ジャケット」(('87)、遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」('99没年)と鑑賞しています。後年はやや玉石混交気味だったようです。
こうしてみると、やはり鬼才であったのは間違いないですねぇ。多作ではないのに、これだけ話題作を撮り続けたのですから。
さて、本作、幕開けから強烈な原色のタイトルバックで強い印象を受けます。舞台はイギリス、無法者集団、4人組のリーダー、アレックス(マルコム・マクダウエル)が仲間とヴァイオレンス、レイプ、さらには殺人までとエスカレートして、当然とっつかまり、裁きを受け服役。凶暴性!、凶悪製、倫理観のかけらもないある種モンスター
彼の異常性に目をつけた政府から更生プログラムの実験に利用されるのですが、一種拷問に近い生体実験は正視できない嫌な流れです。この実験参加を条件に刑期を短縮して娑婆に出てきたアレックスを待ってたものは・・・
見終わっての不快感に近い疲労感、あまり味わったことがないです。それでもキューブリックの偉大さは認めざるを得ません。こんな作品を50年以上も前に造っちまったんですから。あ〜〜疲れた!それにしても、劇中で使われたベートーベンの第九、効果的でした!
主人公を演じたマルコム・マクダウエル、近年、配信でみた「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」で見ましたが、かなりの変貌ぶり(当然!)で、さすがの愚亭も同一人物とは気付きませんでした。
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