260610


この読みにくい、というか覚えにくい名前の画家の作品展に行きました。会期がごくわずかとなったので、体調、あまりすぐれない中、上野まで。(この無理がたたって、この夜、救急車騒ぎになるとは!)
⬆︎のポスター、ぜひ拡大して見ていただきたいです。とにかくかなり愚亭にとっては風変わりな画家でした。リトアニア出身の画家で日本で知られている人、多くはないでしょうけど、こういう、言っちゃなんですが、へんな作風の人がいるとは。この美術館もよく思い切って取り上げたものです。では、なんてんか、写真撮りましたので・・・。

入りはこの程度、やはり午後のいい時間なのですが、まばら、という感じでした。そりゃ、この画家を知っている人、まずほとんどいないはずですから。

説明文を読んでもそもそも国そのものにそれほど馴染みがありませんから、なかなかイメージが湧きにくいのですよ。色調といいフォルムといい、大変幻想的で、他の西洋絵画とは明らかに一線を画している印象を受けました。

どうですか、この奇抜さは。

これは、一転、タイトルそのものが「おとぎ話」ですから、いかにもそれらしくてよく分かります。

1番の大作です。↓こんな説明が。

これで、チュルリョーニス展を終え、次は葛飾北斎の企画展へ移動しました。


HPの中の関連の解説を以下に貼り付けます。
本展は、2024 年に井内コレクションより当館に寄託された北斎の『冨嶽三十六景』(1830‒33年頃)を初披露する展覧会です。本シリーズ全46図を一挙に公開するとともに、特に高い人気を誇る2図については、それぞれ異なる摺りが1点ずつ加わります。追加されるのは、現存作の中でも際立って摺りと保存状態に優れた「神奈川沖浪裏」と、“赤富士”として知られる「凱風快晴」の希少な色変わり版、通称“青富士”の2点です。本展ではこれら合計48点を、十文字学園女子大学教授・樋口一貴氏の監修のもと、本シリーズの版下絵が描かれた順序を辿る6つのグループに分けて展示します。西洋美術を専門とする当館で北斎の代表作をご覧いただくことで、彼の作品が西洋近代の芸術家たちを惹きつけた歴史に思いを馳せつつ、その魅力を再発見していただく機会となれば幸いです。
また本展では、3点の作品を表裏両面から鑑賞できる展示方法を採用します。江戸の人々が浮世絵版画を手に取り、表や裏を返しながら楽しんだ感覚を、ぜひ追体験していただければと思います。
ということで、興味深い試みがされていました。これは、会場で見てもらうしかありません。
その後は、いつものように常設館へ。何度訪れてもいいところで、時に企画展以上にわくわくするのが常設展。それほど、世界的に見ても、ここは西洋絵画が充実した美術館と言えると思っています。こういうところが、簡単に行けるのがありがたいです。

ル・コルビュジエ(チャルル=エドアール・ジャンヌレ)の、日本で唯一の本格作品である入口付近からゆったりと階段で2階へと誘われます。こういうところをじっくりと楽しみたいものです。


彼の目指した開放感のある内部には、こうした試みが。うまく自然光を取り入れる工夫が見られます。

正面は当初の計画では、一体でル・コルビュジエに設計を任せようとしていたのですが、予算の都合でそちらの方は弟子の前川國男が設計することに。こうして見ると、見事に一体感が生まれていることがよく分かります。

現在、3年掛で大規模改修工事に入った東京文化会館の横の部分です。ここは西洋美術館の出入り口。

引かれた直線はそのまま文化会館へと向かうように設計されています。
では、常設館へ。

最初のコーナーにある「聖ヴェロニカ」。15世紀後半 フィレンツェ派。テンペラ、板。伝説では、重い十字架を背負ったキリストがゴルゴダの丘を目指して歩いている時に、ヴェロニカが布で顔の汗を拭ったら、 後に布にキリストの顔が、ということで、聖骸布として遺ったことに。ちなみに、トリノのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂付属の礼拝堂に聖骸布が厳重に保管されているということです。


一番最初に目に触れる作品がこれです。素朴さが大変素敵で、お気に入りの作品。
今回、新収蔵作品が7点もあって、ちょっと驚きました。ご承知のように、国は美術館に対し、自ら運営を工夫して収益増を図れというふうに舵をきっているので、実は弱小の美術館は火の車らしいです。その点、東京の美術館は恵まれていて、特に上野周辺の美術館・博物館はいつも潤っているようで、だからこそ、7点も新しく購入しているのでしょうかね。





一見して、セザンヌの作品とは、なかなか思わないですよねぇ。初期の作品らしいですが、こういう主題を作品にすること自体、かなり珍しいと言えそうです。


これは、すごく大きな絵ですが、ご覧のように半分以上がはげ落ちています。↓の説明にあるように、悲運だったとしかいいようがありません。


これも珍しい作品です。ゴーガンがこういう作品を残しています。海辺ということは、一時期を過ごしたブルターニュのポンタヴェンでしょうか。

↓作品、そのものは撮影禁止となっていたので、説明だけです。クリムトもこういう作品を残していたんだという、ちょっとした驚きの作品。極めて写実的な女性の顔でした。以前から収蔵していて、修復中だったり、その他の理由から展示されていない作品を新たに見せてくれた作品も何点かありました。こういう変化があるから、常設館は飽きることがありませんね。

というわけで、企画展、常設展、ル・コルビュジエの作品をじっくり鑑賞して、2時間半ばかりで帰路につきました。