ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ドイツ 1983年」@Amazon Prime

200920 DEUTSCHLAND 83

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文字通り、1983年の東西ドイツ(主としてベルリン)を舞台に繰り広げられた東西陣営の対決をインテリジェンス・防諜を軸に描いた作品。全8話と割りに短いので見やすい。

ベルリンの壁崩壊まであと6年という時代、米はレーガン大統領、ソはアンドロポフが書記長、融和的なゴルバチョフが登場するまでまだしばらく待てねばならない。両者激しくやりあっていた頃で、レーガンは好んでevilという言葉を使って相手を激しく挑発していた。東独にはブレジネフと親密だったホーネッカー、西独はコール、そんな時代背景。

東独側では、西独に配備された米の中距離ミサイル、パーシングIIが実際に使用されるのでは、と戦々恐々、情報集めにやっきになっているところで、当局は若い学生にすぎないマーチンに西独軍の某中佐になりすまさせて、情報を得ようとする。前後のことがあまり描かれないので、いつ露見してもおかしくない、かなり無謀な計画に見える。

一定レベルのスパイとしての訓練はしたのだろうが、西ドイツ軍の中心的存在である将軍の側近に取り立てられ、重要な会談に陪席したり、米国からの重要人物のアタシェケースから重要文書をミノックス(当時としては抜群の性能を誇る超小型カメラ)で撮影するなど、ついこの前まで素人だった男には到底無理な活動をさせる。

彼のスパイ活動、一定の成果は見られるが決定的な情報を得るには至らないうち、露見し、必死で国境を超えて、生き延びる。しかし、その代償はあまりにも大きかった。双方に多大な犠牲を強いることになる。なんとも後味の悪い幕切れながら、当時の世相や景色が忠実に描写されており、それを見るのも楽しい作品。東独を走り回っていた例のおもちゃのような国民車トラバント(愛称トラビ)も登場するし、一般家庭内の家具や什器備品類を見るのも楽しい。

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主要キャスト陣。右から二人目が主役を演じたヨナス・ネイ。そこそこの人気らしい。

また、せっかく盗み出したアメリカ側の機密文書がフロッピーディスクで、東独側では、これに対応するコンピューターがなく見られないという笑えるような展開や、日本海上空で大韓航空機がソ連により撃ち落とされた事件も挿話として含まれていて、本作の信憑性を高めるのに一役買っている。

続編として、「ドイツ1986年」が既に作られているようで、早くアマプラで見られるといいのだが。

ちなみに愚亭はロンドン発着の旅行代理店対象の東独研修ツアーに1985年秋に参加し、東独の主要都市を巡る機会に恵まれ、本作で当時の記憶が鮮やかに蘇った次第。

パソコンレス生活1週間

200913

よもやの事態に。パソコンが自室から消えることって、ここ30年で一度あったかという程度。今まであまり経験したことがない。しかも買ってまだ3ヶ月あまりというのに!
症状は、変換が急におかしくなったこと。ひらがなで入力してると、突然カタカナやアルファベットに勝手に変わるというもの。
 
かつて経験したことがなく、止むを得ずサポートを煩わして、あれこれ試すも効果なし。最後は初期化してOSの再インストールまで試すことに。
シフトキーが押されたままの状態になってることに起因することまでは突き止められたのだが・・・。
 
サポート陣も、完全にお手上げ。仕方ない、残されたのはストアに持ち込むことのみとなり、丸の内まで愛機を持参することに。

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予約した時間より早く着いてしまったが、中で新製品など物色するのも楽しかろうと店に近づくと、列が見える。近づくと早速揃いのTシャツ姿のスタッフが近寄り、用件を尋ねる。予約時間を告げると列に並ぶにはあと15分後にと言うではないか。仕方ない付近をブラブラ。

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正面側は、ちょうど観光バスの出発点になっていた。天気も悪い上に、もともと観光客などいないから、気の毒なほど閑散。手持ち無沙汰な乗務員を相手にしばし世間話。

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折から、結婚式を終えたと思しきカップルと関係者たちが付近で記念撮影。

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列に並びながら、内部を覗くとガラガラ。そりゃ予約客しか入れないんだから、こうなるよね。

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⬆︎実際にスタッフとの打ち合わせはこれまた広々した二階で。

 アップルストアは、これまでもっぱら銀座店に行ってたけど、最近できたばかりの丸の内店には行ったことがなかったので今日が初めて。東京駅南口を出るともう見えると言う好立地。さすがアップル。しかも超おしゃれなたたずまい。

やっと予約時間になり、スタッフが呼びに来て一緒に2階へ。広々したテーブルでスタッフ(香港人のサイモン君)と向き合う。早速持参したMacBook Air 2020モデルを取り出す。はてさて、この場で直してくれるのか。
あれこれいじった後、「お預かりということに・・・」。こちらが大げさに反応したもんだから、ややあってから、「とりあえずシフトキーを取り替えてみます!」と。
にこやかに彼が戻ることを期待したが、それも虚しく、やはり1週間預けることに。軽くなったトートバッグをかついで、降り出しそうな中、肩を落として家路へ。

 

 

「アウェイ - 遠く離れて - 」@netflix

200911

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最近配信が始まったばかりの新作。アカデミー賞2度受賞のヒラリー・スワンク主演。他に有名な俳優としてはビビアン・ウーぐらい。

宇宙もののSFは、珍しくもないが月から火星に向かう設定は、それほど多くはない。ミステリー性やスリラー性は全くない、いわゆる感動もの。

アメリカ人(女性)、イギリス人(黒人)、ロシア人、インド人、中国人(女性)の5人、それぞれの分野での専門家集団である。

チームワークが問われる世界だが、一見良さそうに見えても、3年という長期戦ゆえ、あらゆる場面でかなりの緊迫感をはらむ。

更に、それぞれに家族もいれば、恋人もいるし、人類初のミッションに参加している高揚感を持ちながらも地上にいる家族、恋人、友人諸々との関係性にも悩みを抱え、それらのバランスを取るのが大変なのだ。

最後は壮大なハッピーエンドを迎えるが、宇宙空間の描写、船内の無重力空間での動きの精妙さには、驚き、ある種感動まで覚えてしまう。文句なく佳作。

「湿地」@Amazon prime

2000908 Myrin(アイスランド語で湿地のことらしいが未確認)2006 アイスランドデンマーク・ドイツ合作 監督:バルタザール・コルマウクル

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アイスランドの映画が日本で公開されるのはすこぶる稀。そもそも人口36万人という小国ゆえ、製作本数は限られているから、まあそれも当然だろう。それでも過去2、3本は見ている。

そんな極北の地で起きた猟奇殺人事件。ただでさえ暗く、重苦しい雰囲気の地方都市。しかもタイトルになっている湿地にある古い家で男の死体が発見される。駆けつけた警察も現場に入り、思わず鼻を押さえるほどの悪臭を放っている現場。死後、それほど経過していないにしては、変だと思わなかったのか。また警部が床を踏むときしんだり、たわんだりするのに、不審に思わなかったのか。(実は床下に、それこそ腐乱死体があったのに!)

追うベテラン刑事、これがまたかなりの変わり者。ぐれた一人娘と港近くのマンションで暮らしてるが、かみさんには逃げられたらしい。何しろ好物が、羊の頭と言うんだから!帰宅前にいつも寄ってるらしいドライブインで、店員から「いつものやつ?」て、聞かれたのが羊の頭。オイオイ、ホンマかいなと思ってると、帰宅するなり、持ち歩いてるナイフを取り出し、いきなり羊の目をくり抜いてムシャムシャ。こりゃ引くわな、日本人なら。

犯人を追ううちに、なかなか複雑な要因が絡み合った事件であることが少しずつ見えてくる。レイプ、遺伝性疾患、墓掘り、悪徳刑事、チンピラ3人組などがキーワード。

まあまあ面白く見た。原作の小説は大評判だったらしい。映画の方はイマイチの評価だったとか。でも滅多に見られないアイスランドの作品で、景色や街並み、人々の暮らしぶりなど、興味を惹かれる要素は、たっぷり。

画像はIMDbから。

「ザ・ヘッド」@hulu

200905 Huluで初めて見る作品は「ザ・ヘッド

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一足先に見た娘が勧めてくれたものだが、まあまあの出来栄え。山下智久が出ていて、英語のセリフなども器用にこなしているのと、役柄は重要ではないが、劇中歌も歌っているらしいが、まったく興味のない自分には、それはどうでもいい情報。

舞台が南極大陸の国際基地というところが目新しいし、越冬隊10名を残して、夏のメンバーは全員それぞれ帰国することになり、その暗闇が支配する氷の世界で、次々に殺人事件が、という設定。

いわば出口のない世界、”密室”での殺人事件で、犯人はこの10人の中にいる、という、まあミステリーではほぼありふれた設定。

結局2名生存、1名行方不明というところで、事件解決のために夏のメンバーを含む調査隊が飛来し、謎解きが始まる。

撮影は無論カナダかどこかにセットが組まれたのだろうが、一応極地の感じがよく出ているし、出演陣はほとんど無名の俳優ばかりだが、演技は悪くない。全6話と、この種のドラマにしてはむしろ短い方で、割りにあっという間に身終えてしまった。見て損はしない程度の作品。