180202 体調がかなり戻ったので、久しぶりにカミさんと映画を見に行った。
THE SENSE OF ENDING(「終わりの感覚」)英、108分、監督:リテーシュ・バトラ(インド人)
40年前の学生時代と現代とが交互に描かれる手法で構成されている。ロンドン北部、ハイゲート界隈で、裕福ではないが、優雅に暮らす独居老人トニー(ジム・ブロードベント)には、別れた女房マーガレット(ハリエット・ウォルター)と、その間に出来た娘、スージー(ミシェル・ドッカリー、「ダウントン・アビー」の長女役)が身内と呼べる家族だ。スージーは臨月、シングルマザーを道を選ぶ。
別れた女房との関係も良好。時折、こうして夕食も共にする仲だ。
娘のために無痛分娩教室にも一緒に顔を出すトム。異常なほど、娘の信頼が熱いトム。左はレズビアンカップル。
ある日弁護士から、40年前の日記を預かっている人がいると知らされるトム。40年前に親しくなった女性、ベロニカ(シャーロット・ランプリング)が日記の所有者だと。40年前、彼女との間に何があったのか、なかったのか、それがもどかしくも判然とせず、悩み続けるトム。
映画は当時と今を行きつ戻りつしながら、すこしずつ解明に近づいて行くが、最後のところは、見る者に委ねてしまう。トムが犯した過ちとは???
トムを演じるジム・ブロードベントの自然体の演技が素晴らしい。シャーロット・ランプリングは例によって謎めいた微笑みのうまい女優である。ほかに、ダウントンアビーではいかにも上流階級で、気位の高さを誇示するような演技に終始していたミシェル・ドッカリー、本作ではまったく違った役どころだが、どうもはなもちならないような娘に見えてしまう。
いい歳の取り方をしているシャーロット・ランプリングとジム・ブロードベント。いかにもイギリス人という風情。
自分たちも住んだことのあるロンドンの北郊地帯の美しい景色が繰り返し出てきて、懐かしさを覚えた。
#7 画像はIMDbより。