190921
このアマチュア・オケ+合唱団、概ね9月に演奏会を開くことが多いので、この名前になっているらしい。シンフォニエッタというように、小編成の管弦楽団。それでも団員は40名ほどはいそうだ。なかなか洗練された音を出し、アマオケでも相当上手い方だろう。
羨ましいほどのソリスト陣。鹿野由之の構成・語りがまずは素晴らしかった。こういうのはやはりベテランの味とでも言おうか、かなりの力仕事だろう。上の略歴にもあるように、この方、一時、と言っても10年もクラシックから遠ざかっていたようで、そこから再びクラシックに戻すには相当な苦労があったことだろう。
糸賀修平、リリコ・レッジェーロの典型。軽やかな明るい声質は、まさにネモリーノにぴったり。Una furtiva lacrima、もちろん今日最大の喝采とブラーヴォを浴びていた。アディーナの大塚幸子、まったく知らないソプラノ。それもそのはず、九州ベースで活動されている。首都圏で聴く機会は限られているだけに、今日聞けたのは誠にラッキー!声も美しいが、舞台姿もたまらなくチャーミングで、この役にもぴったし!
ベルコーレの増原英也は、2012年から結構聴いているが、毎回感心させられる。まだまだ若手なのに、インパクトある存在感は日本人離れしている。海外での出演機会が圧倒的に多く、所作振る舞い、とりわけ顔の表情は憎々しいほどの自然体!日本のオペラ界では得難いバリトンの一人。
ジャンネッタの相良知佐、今回ただ一人、アマチュアのソリストとして参加。プロの中に一人混じっての演唱は、考えただけでもかなりの重圧と察するが、それを物ともせず、堂々と演じていた度胸は素晴らしい。何と言っても、妙なる舞台姿が、時として主役を喰いかねないほどの存在感。
それにしても、このホールの響きは実に素晴らしい!
#61 文中敬称略