ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ベルリオーズの「ファウストの劫罰」(東京文化会館)

f:id:niba-036:20100717154838j:image:left100716 今日の席は1階最前列の右寄り。オケピットがあるから、前過ぎることもなく、視覚的には存分に楽しめた。
この作品、無論音楽的にもすばらしい場面が多く、特に後段、マルグリットの2つのアリアは聴きごたえ十分であった。
しかし、全体としては、実は視覚的要素が多く、2007年の「ダフネ」同様、演出・振付の大島早紀子の存在が大きい。
これまた「ダフネ」で活躍したメインダンサー、白河直子の直線的できびきびしたシャープな動きは健在。更に6人のダンサーのよるアクロバティックなダンスは最後までハラハラさせてくれたが、よく統制が取れていて、厳しい練習の成果が十分発揮されている。一歩間違えば大けがにつながる演技の連続で、激しいワイアー・アクションや階段を転がり落ちるという技は女子には厳し過ぎると余計な心配までしてしまった。きっと全身痣だらけだろう。

ただ、2月にNHKハイビジョンで放映された2008メトの「ファウストの劫罰」(マルチェッロ・ジョルダーニ、スーザン・グレアム、ジョン・レリエ))の印象が強く、無意識に比較していて、自分の中では今回の公演には、必ずしも大満足というわけではなかった。
f:id:niba-036:20100717154830j:image
↑(観たのは下段の配役)それでも主役陣4人のパフォーマンスは見事だったし、とりわけ林 美智子不調のため、急遽3回マルグリットを演じることになった林 正子の歌唱の華麗な力強さにはBravissima!だ。

#52