ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「エンド・オブ・ホワイトハウス」

130610 109シネマズ川崎 130610 原題:OLYMPUS HAS FALLEN オリンパスはホワイトハウスの隠語)120分 []アントワーン・フークァ(仏系米人、「トレーニング・デー」、「ザ・シューター」、「クロッシング」)など、警察ものが多い)

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文句なしに面白い120分で、だれる場面は皆無。これは結構稀だ。どっかで緊張感がフッと途切れるものだが、それがない。ずーっと行き詰まるような構成は、脚本の冴えだろう。

 

半島系アジア人が、周到な訓練と準備を重ねて、韓国大統領訪米に合わせてホワイトハウスを乗っ取り、更には全米の核武装を無力化し、アメリカを丸裸にしてしまおうという、大胆極まる作戦が実行される。

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途中までは、シナリオ通りに進行し、ケルベロス・コード(核武装解除のコード、大統領、防衛大臣など3人しか知らない極秘事項)も三つのうち二つまで敵に入力され、あわや・・・というところまで行くが、元大統領シークレットサービス、マイクの起死回生の活躍で、辛くも・・・という、全編これ手に汗を握る展開で、興奮のうちにジ・エンド。

 

だが、いろいろ疑問も。アメリカが世界に誇る鉄壁の要塞、ホワイト・ハウスがかくも簡単に陥落するとは到底考えられない。そこが先ず第一にうそっぽい。

 

次に、主人公であるマイク(ジェラルド・バトラー)は、嘗て、自らの不手際(実際は不可抗力だが)で、事故車両から大統領を救うがため、大統領夫人を犠牲にしてしまったことから、閑職に追いやられた。それから18ヶ月も後に発生した事件なのに、ホワイトハウス内を知り尽くし、且つ様々な暗誦コードも解読していくのはリアリティーに欠ける。

 

敵は、北朝鮮軍部であることは明白だが、要求というのが、核武装解除と同時に、太平洋から第7艦隊を即時撤退、アジアからの地上軍の完全撤収だが、それが果たして北朝鮮を利することになるかは不透明。攻撃意図がイマイチ。

 

大統領代行である議長が、直ちに連絡を取ろうとした関係国が中国、韓国、ロシアで、日本が含まれていないのは?日本のプレゼンスの低下は映画の世界でも顕著。ただ、犯人一味が半島系にも関わらず、東海ではなく日本海と言っていたのが愉快。

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とは言え、冒頭から幕切れまでずーっと緊張しっぱなしという映画は久しぶりだし、心底楽しめる希有な作品。秋には、再びホワイト・ハウスが舞台の近未来映画が公開されるようだ。最近は、次から次へと似たような作品が登場するから、記憶がこんがって仕方がない。

 

ジェラルド・バトラーは理性のあるマッチョのこの役にぴったりだろう。大統領のアーロン・エッカートも悪くない。防衛大臣メリッサ・レオ、気の毒なほどみじめな姿を晒すことになる。冒頭部分だけで消えてしまう大統領夫人のアシュレイ・ジャッド、相変わらずチャーミング。モーガン・フリーマンとの共演はこれで4度目とか。アンジェラ・バセットが扮するシークレット・サービスのトップは、当初、男優を充てる予定で、急遽女性らしい言葉に書き換えたとか。

 

#41 画像はIMdb、及びALLCINEMA on lineから