140918 Night Train to Lisbonが原題。
主役のジェレミー・アイアンの出来が頗る良い。キャスティングが大成功している。他の役者は霞んだねぇ。アタシの好きなメラニー・ロランさんもまったく不発。
100冊しか世に出なかった1冊の本がもたらす、縦糸緯糸に鮮やかに編み込まれた男女の愛憎劇を、美しいリスボンを舞台に2本の時間軸で見事に捉えた作品。
ベルンに住むラテン語とギリシャ語の高校教師ライムントが、橋の上でたまたま助けた自殺未遂者、謎の女が残した赤いコートと、この夜のリスボン行き特急列車の予約指定券を持って、ベルン駅に駆けつけたものの、目指す女を探せず、呆然とするが・・・次の瞬間、思わず動き始めた列車に飛び乗ってしまった。こうしてライムントの運命の旅が始まる。見事な導入部だ。
心に残るラストシーンが、ちょっとだけ「旅愁」を思わせるが、全くの逆バージョン。
#76 画像はIMdbから