141120 原題:THE YOUNG AND PRODIGIOUS T.S.SPIVET 105分 仏・加合作。脚本・監督:ジャン=ピエール・ジュネ(「アメリ」、「ロング・エンゲージメント」)、出演:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム・カーター
最近の作品はどこの国のものかわからないことが多い。この作品も、舞台はアメリカ、言葉も英語ながら、監督はフランス人。もはや映画の国籍は意味を持たなくなったのかも。
モンタナ州の山中に暮らすごく平凡な一家の次男、T.S. スピヴェットの話。親父はカウボーイ気取りで、子供に無関心、母親は昆虫の研究に明け暮れ、姉は女優志願で、仲良かった双子の兄は、納屋で二人で遊んでいる最中、銃の暴発事故で死亡、救いのない世界にひとりぼっちのT.S.はどこにも自分の居場所がないと感じる日々。そんなある日、非凡な科学的才能を発揮して発明した永久機関がスミソニアン博物館で高い評価を受け、表彰されることに。ついては、ワシントンまで来てスピーチを、と頼まれる。
⬆️母親の最終した昆虫
⬆️早朝、一人長旅に出るT.S.。誰にも言わず、書き置きだけでして大陸横断鉄道に潜り込み、ワシントンへ。そして栄えある授賞式で堂々たるスピーチを披露、再来テレビ番組に出演すると、そこには・・・。
⬆️テレビ番組ライブ放映中、突如現れる母親に驚くT.S.。
結局のところ、孤独と感じたのは自分の思い違いで、本当はしっかり愛されていることを確認するT.S.だった。
監督初の3D作品だそうだが、3Dのいいところを巧みに利用して、心浮き立つような色彩で、さまざまな楽しい画面を作り上げている。2Dで見ると、ちょっとその辺りの「含み」が伝わらないだろうと思った。エンドロールも楽しさ満載。大人の童話的作品。
余談ながら、主演のカイル・キャトレット、現在10歳で、先日もこの作品の宣伝で来日。某局で、その腕前を披露したが、ヌンチャク等の技が生半可ではないのにびっくり。ついでに言うと、ロシア語、北京語も流暢とか。
#93 画像はIMdb及びALLCINEMA on lineから