ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「カイロ・タイム 異邦人」

131016 原題:CAIRO TIME この邦題は上出来だ。カイロタイムだけでは何のことやら?ということに。カナダ・アイルランド合作。[監]ルバ・ナッダ(カナダ女性だが、名前からすると、中東系?)

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ガザ地区で国連の仕事をしているアメリカ人夫婦が、休暇でカイロを訪れることになるが、夫マークは仕事が忙しく、取り敢えず妻ジュリエットパトリシア・クラークソン)だけが先着。国連時代の夫の部下で、今はカイロ在住のタレク(アレクサンダー・シディッグ)に妻の面倒を見るよう依頼。ま、よくある話だ。

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子供も成長し、今は夫婦で平穏に暮らすジュリエットも50代半ば、若くはないが、何か満たされないものを感じる日々。そんな中で、しばし異国でただ一人。面倒を見るタレクに、夫にはない何かを感じ始めるのに、さして時間はかからない。(これもよくある話だ)

 

徐々に二人の距離が縮まり、そんな中で行ったピラミッド。ピラミッドだけは夫と二人だけで行こうと決めていたのに!ホテルに戻ってみると、前触れもなくロビーで待っていたマーク!しっかり抱き合うジュリエット。「これでいい、これでいい」と心の中でつぶやたかどうか。タレクも同じ思いだったろう。

 

そして、念願のピラミッドに二人で出かける。三つの大ピラミッドが屏風のように折り重なって見えるところに夕日が差し込み、黄金色に染まる。二人の姿がシルエットになるラストシーンが印象的だ。タレクと行った時は、スフィンクスが全面に、後方にピラミッドが小さく見えたのだが。敢えて違う角度で撮ったところがうまい。

 

エデンの彼方に」で上流階級の人妻をさっそうと演じていたパトリシア・クラークソン(54)も、さすがに年取った。ジャンプ台のように高く大きく反った鼻としゃくれた顎に特徴がある女優で一度見たら忘れられない顔。

 

脇役が多いが、本作では主演だ。ところで、ベン・キングスレーとベッドシーンを演じた「エレジー」(2008)の時も感じたが、この作品でも、えりぐりを大きく取ったドレスを着ているのが気になる。ものの哀れを感じてしまう。尤も、この作品、2009年のものだから、撮影時は49歳ぐらいか。それにしては・・・。女優がうまく老けるのは難しい。

 

 

#87 画像はIMdb及びALLCINEMA on lineから