ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ザ・コール」

131205 原題もTHE CALL 米 94分(意外に短い)[原・脚]リチャード・ドヴィディオ[監]ブラッド・アンダーソン(ほとんどテレビ映画しか撮ってない) [出]ハル・ベリーアビゲイル・ブレスリン(「リトル・ミス・サンシャイン」の時はほんの子供だったが、だいぶ大人になった)

 

いやぁ、面白い!ほとんど冒頭から画面に釘付け状態。一瞬たりとも目が離せない感が何とも言えない。アドレナリン、出放題。

 

日本の110番はアメリカでは911番。この電話に対応するのが緊急通報司令室。そこで働くジョーダン(ハル・ベリー)が主人公。「ナイン・ワン・ワン、What is your emergency?」が第一声となる。当然、相当な訓練を受けて対応しているのだが、それでも中にはとんでもない事件の一報が飛び込んで来ることが。

 

そうなると、余程経験豊かでないと、対応しきれるものではない。ジョーダンは、あるシリアル・キラーの事件で、対応を間違えたために、若い命を失う結果に。当然、激しい自席の念に捕われ、当分復帰不能かと思えたが、しばらくして、復帰。だが、今は、若きトレイニーたちを指導する係に。

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そんな中、トレイニーたちの見守る中で、事件が起こる。対応する新人オペレーターは、どうしていいか分からず、思わずジョーダンが席を替わる。さぁ、そこからがノンストップ・サスペンス・アクションが。

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誘拐されたケイシー(アビゲイル・ブレスリン⬆右)は、気がつけば、暗い車のトランクの中。半狂乱になりながらも、ケータイがあったのを思い出し、そこで911へ。トレイニーが見守る中、ジョーダンは次々と的確な指示を出すが、前回の暗い記憶が甦り、弱気になりかかる。警官をやってる恋人や上司に励まされ、何とか任務を継続。

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⬆やっと犯人の車を取り囲むも、もぬけの殻。車を乗り換えて逃走中。

 

有力情報をつかみながら、ヘリもパトカーも、犯人との距離を詰められない。この辺、まことにもどかしい。そうこうするうちに、不審に思った目撃者たちが事件解決に結びつくような行動を起こすも、寸前で犯人に殺されるなどして、とうとう犯人のアジトにケイシーは連れ込まれてしまう。

 

犯人を指紋から特定できた警察は、犯人の自宅を急襲、家宅捜索の結果、金髪少女ばかり狙う変質的シリアル・キラーであることが判明。一方、隠れ家に連れ込まれたケイシーの命は・・・。

 

打つ手のなくなった警察に代わって、なんとジョーダンが動く。(緊急通報を受けるスタッフが??おいおい、そりゃないぜよ!)この辺りから、せっかくよかった前半の見事な展開がおかしくなり出す。終盤だれたのが本当に惜しい!

 

羊たちの沈黙」、「セルラー」(キム・ベイジンガー)、「コレクター」(テレンス・スタンプ主演の1965作品)、「コレクター」(モーガン・フリーマンが出演した原題KISS THE GIRLS)、など類似作品の多い、いわゆる猟奇殺人事件を扱ったもの。今回は、しかし、ザ・ハイブ(蜂の巣)と呼ばれる緊急通報司令室を中心に据えたところがユニーク。

 

#101 画像はALLCINEMA on lineから。