140526 原題もDISCONNECT 米 115分 [監]ヘンリー=アレックス・ルビン 製作総指揮:マーク・フォースター(「007/慰めの報酬」「ワールドウォーZ」)
典型的な群像劇。三つの違ったストーリーが相互に関連し合いながら、同時並行的に進行していく手法は、ポール・ハギスの「クラッシュ」(2004)を思わせる緊張感に満ちている。
よくある未成年者同士のいたずらで、恥ずかしい画像が同級生の誰もが知るところとなり、追いつめられた結果・・・普通の家族に引き起こす悲劇と、崩壊寸前で絆を取り戻す一家。
⬆自分の裸の画像が、通っている学校の生徒たち全員に流出、絶体絶命のピンチになるベン。
冷めた夫婦関係の寂しさから妻がチャットに救いを見いだしたばかりに夫婦の個人情報を盗まれ、破綻寸前。犯人を特定しようとする過程で絆を取り戻す中年カップル。
自分たちの財産を根こそぎ奪った犯人を突き止めようと必死のスティーブン(ミカエル・ニクヴィスト)とシンディー(ポーラ・パットン)
そして、違法ポルノサイト問題を掘り下げようと、サイトに登場する青年カイルのインタビューに成功し、脚光を浴びる女性リポーター。しかし思いもよらぬ別の問題を引き起こす結果に。
⬆自分の判断ミスからとんでもないことになるのだが、それに気付かないニーナ(アンドレア・ライズブロー)
この3話が巧に関連し合ってのクライマックスが本作最大の見せ場になっていて、予想もしない映像だった。
この邦題は秀逸である。原題を微妙に変化させて、SNSに接続するリスク、遮断する勇気などを、実例を3話に絞って、見事に炙り出している。人はいつも誰かと繋がっていたいという欲求が、インターネットの普及でかなりいびつな方向に向かってしまっている現実を捉えた秀作。
この作品、2012年製作だが、今のスマホ社会の日本にも十分警鐘を鳴らせる内容である。作品として取り上げられ方が地味だが、是非若い人たちに見て欲しい作品だ。
#43 画像はALLCINEMA on lineから