170618
このところ、7/17「海の日のチャリティーコンサート」祝祭合唱団の練習で通っている初音ホール、今日はこのコンサートの会場で、ちょうど開場時間に到着したら、行列が入場し始めたところ。180席が完売だったとか。
正味2時間半の、大変充実した内容で、大満足!当方が知らないだけで、世の中には立派なか歌手のなんと多いことよ!第1部でロドロフォ、第2部でヘンデルのメサイヤでソロを歌った倉石 真のうまさが光った。
第3部は大御所の登場。佐藤しのぶを聞くのは、昨年、同じ舞台に立った「海の日のチャリティーコンサート」(16.7.18)以来だが、相変わらずのオーラの凄さは大したものだ。還暦近い人とは到底思えない。
歌の技術もいろいろ工夫されているようで、最盛時とは違う手法で満員の会場をうならせた。メリハリの利かせ方が至極巧みで、特に2曲目に歌った「約束」でそれが遺憾なく発揮された。この歌、聞いたことはあるが、しみじみ聞いたのは初めて。ジャズピアニストでもある前田憲男の作曲と知って、別の驚きがあった。しかし、ジャズ的ではもちろんなく、日本の歌曲とも言えず、むしろシャンソンのような響きという印象を持った。
伊原直子のカルメンだが、もう付け加えるべき賞賛の言葉はない。この域になると、もはや存在そのものが偉大としか言いようがない。
そして、監修と公演監督を務めた高橋啓三、暖かい人柄を感じさせるトークもだが、歌も、実に味わい深い!2曲目の「世界で一番美しい女」は、かつてサンレモ音楽祭で2位となり、当時の人気バリトン歌手、チェーザレ・シエーピも歌ったという説明。この人の歌を聴くことがなければ、オペラに興味を持つことがなかったかも知れないとまで告白していた。(調べてみたら、この曲、1957年、マリーノ・マリーニが作曲したのだが、サンレモ音楽祭での入賞記録はない。高橋の記憶違いか。ただ、確かにチェーザレ・シエーピはこの曲を歌っている。)
なお日本にはこの楽譜がなく、伴奏ピアニストの森島英子が高橋のために楽譜にしてくれたと、嬉しそうに語っていた。いい話だ。
終演後、生憎の雨の中、出演者がお見送り。左端はバリトンの土屋繁孝、隣はメゾソプラノの金子紗弓。
左からメゾソプラノ、安藤郁子、ソプラノの辛島安妃子、そして同じく醍醐園佳。シャッターを切った瞬間、持っていた折り畳み傘を落としたため、珍しい表情となった。(失礼しました!)
#27 (文中敬称略)