ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

嗚呼、阿蘭陀〜

74,78に続き、2010もオランダの年にはならなかった。南アのボーア人はオランダ人の末裔であり、この意味でオランダ・チームはホーム・ゲーム的に戦えたと思うのだが。終盤までまったくの互角で、最後は運命に見放されたとしか思えない。f:id:niba-036:20100712101516j:image
この大きな絵は、ヴェラスケスの描いた「ブレダの開城」 16世紀末の80年戦争で、2度までスペイン軍に国土を蹂躙されたオランダ(当時、国家としては、まだこの呼称はなかったが)。1625年に、北部のブレダ(Bleda)を攻め落としたスペイン軍司令官に、城の鍵をうやうやしく渡すオランダ軍総督ナッサウ(建国の父、オラニエ公ウィレム1世の庶子)勝った側のスペインも、敗者をねぎらい、極めて丁重に遇している様子が見事に描かれている。その後、オランダはスペインのくびきから逃れ、見事独立を果たす。因みに、右端の人物はヴェラスケス自身と言われている。

歴史的に見ると因縁浅からぬ両国、ワールドカップではこれまで当たったことはないそうだ。今回もうっぷん晴らしが出来なかったオランダ人、溜まりにたまったこの鬱屈を、さぁどうしてくれる?