ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「インセプション」

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100723 新宿ピカデリー 原題もINCEPTION(COMMENCEMENT同様、物事を開始するというのが本来の意味だが、ここでは植付けるという意味で使われている)製作・脚本・監督:クリストファー・ノーラン 出演:レオナルド・ディカプリオ、渡邊 謙、マリオン・コティヤールエレン・ペイジ

予備知識なしで出かけたら、やはりかなり難解。もう一度見ることになるかも。何しろ他人の夢の中に入り込んでアイディアを盗み出すとか、逆に何かを植付けるとか言うお話だから、途方もない内容なのだ。縦横斜めのいくつかの階層の中で、同時進行するスリリングな事件を描いているから、頭が混乱する。しかも、摩訶不思議な映像と音響が、信じられないド迫力で空間を支配するから、閉所恐怖症や大音響苦手な方には勧められない。f:id:niba-036:20100724143514j:imageどっちが上で、どっちが下だか分からなくなるような画面の中での格闘シーン。一体どうやって撮影したのか、メーキングが見たくなる。

それにしても、よくぞこうした映像を作り出せたものと驚愕する一方、その創作力にはただただ感嘆と称賛あるのみ。重要な場面の切り替えに、ピアフの名曲、Je ne regrette rien(「水に流して」)が効果的に使われている。

見事な映像クリエーション・ドラマだ。ケン・ワタナベも、これまでのハリウッド作品に比べ、圧倒的に出番が多く、それなりの存在感は示している。ただ、エレン・ペイジという小娘のみ、際立った違和感。ミスキャストだ。(「アマデウス」での女房役、エリザベス・ベリッジのようなもの)

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