131129 原題はロシア語につき省略。「太陽に灼かれて」、「戦火のナージャ」に次ぐ三部作の完結編。ロシア他では2011春公開のものを今頃。壮大な戦時下愛憎劇もついにフィナーレ。前二作も見ているが、本作も見応え十分なニキータ・ミハルコフ作品。それにしては最後が悲劇的だったのが辛い。製作、脚本、監督、主演と、完璧なまでにミハルコフ映画。ついでに娘のナージャ(役名と同じ)も準主役に抜擢。
⬆激しい戦闘シーンの一こま。何と独軍の空爆に晒される軍用トラックの上で、今まさに出産という場面。
第二次大戦下の独ソ戦の最中での一人の軍人の悲劇、家族の愛憎ドラマを壮大なスケールで描いた希有な作品。革命の英雄、主人公コトフの妻に横恋慕した秘密警察ドミートリによる密告・陰謀で、本来なら赤軍トップに上り詰めるほどの力量もスケールの大きさもあるコトフは、今や懲罰部隊の一兵卒。
⬆スターリン(そっくりだ!)からとんでもない命令を聞くコトフ。
そんな彼を、ドミートリはスターリンの命令で前線から探し出し、スターリンに会う。スターリンは、コトフに中将への大抜擢と引き替えに、とんでもない密命を下す。生還の望みはほぼ断たれたコトフが打った一手とは。難攻不落の独軍要塞に向かって踏み出した彼の一歩に敵も味方もまさに度肝を抜かれる。
⬆コトフの視線の先には鉄壁の独軍要塞。一発弾丸が飛んでくれば、ハイ、それまでよ!
だが、その後に起きたこととは・・・・敵味方双方にとってあり得ない光景が広がる。
⬆互いに死んだと思っていた父と愛娘ナージャ、折角会えたというのに、娘の右足と父の左足の下には地雷が。嗚呼!
#98 画像はALLCINEMA on line