140826 原題も:PROMISED LAND (約束の地。旧約聖書に登場する、乳と蜂蜜の流れる地、カナンにかけて)米 106分 [監]ガス・ヴァン・サント [脚]マット・デイモン、ジョン・クラシンスキーは出演も。クラシンスキーがエミリー・ブラントの旦那とは知らなかった。
今話題のシェールガスを巡る話。実話かどうか知らぬが、いかにもありそうな話で、引き込まれる。大受けすることはないだろう地味な社会派ドラマ。
エネルギー会社幹部候補社員、主人公のスティーブ(デイモン)は、マッキンリーという田舎町で、住民たちに、豊富な資金と引き替えに地下に眠る巨大なエネルギーの採掘権の買い取りをもちかける。農業以外に産業のない住民には悪い話ではない。自信満々のスティーブは個別撃破で次々に契約を取り交わし、順風満帆に見えたのだが・・・。
住民との対話集会で、老齢の高校教師から、頁岩採掘の水圧破砕法がもたらすリスクを問いつめられ、一転窮地に。
更に、環境保護団体スタッフを名乗るダスティン(クラシンスキー)が登場、大量に用意した反対キャンペーンのプラカードをあちこちに立て始める。焦るスティーヴ、打つ手はあるのか。そんな最中、本部から届いた書類で、スティーブは意外な事実を知るのだった。
「グッドウィル・ハンティング」以来、16年振りに組んだガス・ヴァン・サントとマット・デイモン。グッドウィルにどこか通じる重厚なテーマを扱ったドラマに仕上がっている。ボーンシリーズなどで、最近派手な役が多かったデイモン、こうした社会派ドラマでも、彼ならでは精彩を放つ。
美形の高校教師との交流が出て来るが、特段こんな場面はなくても話の展開上なんの支障もないだけに、とちょっと残念。
蛇足ながら水圧破砕法では、地中深くもの凄い水圧をかけて頁岩層を破壊していくため、水質汚濁だけでなく、地震まで引き起こしている事実が既に何例も報告されている。従って、人間が多く住んでいるようなところでは、今後採掘はやめることになるんだろう。
#70 画像はALLCINEMA on lineから