150220
青江夫妻(?)にご紹介いただき、初めてこのバスバリトンのリサイタルへ。この方、現在ちょうど40歳だそうで、まさに油の乗り切った年齢に差し掛かっている、いわば円熟期だろう。曲によっては多少物足りなさも感じない訳ではないが、正統的バリトンで、くせのない、品のいい声と歌唱法というところだろうか。
ピアノの蓋全開ということもあり、部分的にピアノの音が大きすぎると感じたので、その辺りは今後一工夫要るように思えた。また、曲紹介など、マイク使用でのトークが滑らかで、むしろ歌手にしてはうますぎるきらいも。ついでに、マイクの音量調整をしておかないと、その後に続く、肝心の歌唱にあまりいい影響を与えないような気がして仕方がなかった。
バスバリトンと、チラシにも銘打ってあるが、実際はバリトン、それもやや高めのバリトンという印象が強い。演目⬇︎の中でも、例えばフィガロでのバルトロのアリアより、ドン・ジョヴァンニのツェルリーナとの二重唱の方がしっくり聞こえた。
ご覧のように、一般的には一部と二部が逆転したような構成も、素人ながら、いかがなものかと。つまりわざわざ軽めの曲を後にもってきた意図がイマイチ伝わってこないというのだろうか。ご本人にしてみれば、一部の終盤がおそらく一番の聴かせどころと思うのだが・・・。なんとなくブラーヴォをかけ損なってしまってようで、ご本人には申し訳ない気分で会場を後にした。
因みに、アンコールは、メリーウィドウからの有名な二重唱、そして2曲目はなんと、あのマイ・ウェイと来た。こうしてノリのいい異色のオペラ歌手のリサイタルは、笑いのうちにエンディング。
星がひときわ明るく輝く寒空の下、今宵もまた喉の渇きを覚えた一行が向かう先は・・・。
#05