ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

初めてパルコ劇場へ

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友人に誘われて、急に渋谷のパルコ劇場の芝居を見ることに。芝居と言っても朗読劇。二人の男女が舞台上の椅子で朗読するというスタイル。多少の振りはあるが、基本的に椅子から移動することはない。↑にあるように、日替わりの出演者陣。今日は野村萬斎若村麻由美の番。

昨夜の不眠がたたって、前半はともかく眠い。ストーリーも淡々と進むので、睡魔と戦いに必死。先が思いやられたが、休憩をはさんだ後半はにわかに動きがでて、結構引き込まれた。

最後の感動的な場面では照明がどんどん暗くなり、文字が見えるぎりぎりの光量まで落として、やがて真っ暗に。感極まったのか、萬斎も若村さんも涙。そして、照明が戻ると、二人とも照れくさそうに立ち上がって挨拶。若村さんはまだハンカチを目に押し当てたまま。萬斎が差し出す手に何秒か気付かず、やっと気付いたら、何を勘違いしたか、持っていたハンカチを彼に手渡すと言う一幕で場内、笑いの渦。

終演後、友人に誘われるままに、楽屋へ。88年のテレビドラマ「飢餓海峡」の杉戸ヤエ役以来のファンだが、生で見るのは初めて。上背があり(162cm)小顔で、眼ヂカラが凄いのが印象的。

概要を案内書から抜粋すると;


舞台にはテーブルと二脚の椅子。
並んで座った男優と女優が、手にした台本を読み上げるだけの2時間。
大掛かりな仕掛けも、目をひく照明や音響もない、このシンプルな舞台が、これほど見るものをとらえてはなさないと、誰が想像できただろうか?…。
ラヴ・レターズ」は1989年ニューヨークで初演されるやいなや、全世界で上演され、静かなブームを巻き起こした。パルコ劇場でも1990年8月19日に幕を開け、それ以来、この一つの台本を年齢も個性も異なった様々なカップル(約200組)が読み続けている。初回は役所広司大竹しのぶ。因みに大竹は最多出演。


STORY

幼馴染みのアンディとメリッサ。自由奔放で感覚人間のメリッサ。
真面目でいつも何かを書いているアンディ。思春期を迎えて彼らは一番近い異性としてお互い十分相手を意識しはじめる。しかし、ついに決定的に結ばれるチャンスを迎えた夜、二人は友だち以上にはなれない自分たちを発見する。大学を出た二人はそれぞれ結婚し、まったく別の道を歩き始める。海軍を経て法曹界に入り上院議員まで登りつめるアンディ。アートの道に進んだものの行き詰まって精神的破綻をきたすメリッサ。久しぶりに再会した二人は別々に過ごした日々を取り戻すかのように、お互いを激しく求めあう。
しかし結ばれるには、それは余りにも遅すぎた。


作者 A.R.ガーニー プロフィール

アメリカ、バッファロー生まれ。20年以上に渡りMIT(マサチューセッツ工科大学)にて文学を教える。主な作品は『ダイニング・ルーム』、ミュージカル『レッツ・ドゥ・イット』(コール・ポーター音楽)等多数。『ラヴ・レターズ』は88年、ニューヘイブンで世界初演。89年にはブロードウェイに登場。さまざまなアンディーとメリッサに出会いながらロンドン、パリ、オーストラリア、デンマーク、オランダ、アルゼンチン、ドイツ、そして日本と、世界各地で上演されている。


訳・演出家:青井陽治 プロフィール
翻訳家・演出家。69年、劇団四季演劇研究所入所。76年よりフリー。以降、海外戯曲の上演、ミュージカルの創作に独自の世界を築く。主な作品に『真夜中のパーティ』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』など。『LOVE LETTERS』では1990年8月19日の第一回公演より訳・演出をつとめる。