ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「没後120年 ゴッホ展 ーこうして私はゴッホになったー」

f:id:grappatei:20101214100601j:image:left101213 これまで繰り返し見ているので、今回はパスしようかと考えたが、結局氷雨の中、国立新美術館へ。例によって閉館1時間半前の入館で、平日、気象条件を考えればもう少し空いていてもおかしくなかったのだが、会期が迫っていることもあり、そこそこの賑わい。下の説明文にもあるように、ゴッホ自身の油彩は35点のみ。でも、←「アイリス」など、結構な力作が多数含まれていて、やはり来た甲斐があった。それにしても1980年に自殺するが、その前年からの作品数の多さよ。自らの死期を覚悟し、憑かれたように描きまくった印象だ。


f:id:grappatei:20101214100602j:image:leftまた、アルルのゴッホの部屋を会場の一隅に再現してあったのが面白かった。科学的根拠に基づいてかなり正確に再現したとある。かなり狭いというのが正直な感想。絵では、床は明らかにいわゆるフローリングの筈なのに、再現ではタイルにされていたことに違和感あり。オーベール・シュル・オアーズの教会も、実物が小さいことに驚いた覚えがある。

美術館のサイトから以下抜粋。
[本展は、ゴッホの代表作に加え、ゴッホに影響を与えた画家たちの作品、ゴッホ自身が収集した浮世絵などを展示し、「ゴッホがいかにして『ゴッホ』になったか」を明らかにする。

ファン・ゴッホ美術館とクレラー=ミュラー美術館の全面的協力のもと、日本初公開作品を含め、選び抜かれたゴッホの油彩35点、版画・素描約30点と、オランダ時代のゴッホに絵画表現技法の基礎を手ほどきしたハーグ派のモーヴや、芸術の都パリ時代に出会ったモネ、ロートレックゴーギャン、スーラなどの油彩画約30点、その他関連資料約20点を一堂に展示。また、ゴッホのアルル時代の寝室を会場内に再現し、出品作《アルルの寝室》と見比べながら、ゴッホが空間をどのように捉えて絵画で表現したかを探る画期的な試みや、科学的な視点によるゴッホ技法の分析の成果も交えて、多方面からゴッホ芸術の秘密に迫る。]

f:id:grappatei:20101214100600j:image:left←これはアルルのサンレミで入院中に制作されたもの。亡くなる3年前の作品だが、とりわけ瑞々しい筆致が強く印象に残る。