ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「サンバ」

141226 原題もSAMBA 119分 フランス 脚本・監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ(「最強の二人」)、出演」オマール・シー(「最強の二人」)、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム(「ある過去の行方」)

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ご覧の通り、「最強の二人」と同じ組み合わせ。言わば崖っぷち人間たちを扱った、至極フランス色の濃いコメディー。

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舞台はパリ。アフリカ系移民の多い19区、20区界隈で、何とかレストランの皿洗いで食いつないでいるセネガル出身の青年サンバ、夢はここで料理人になること。

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ところが、うっかりヴィザ更新を忘れたことで、国外退去命令が。救援を求めた先は移民支援協会。相談に応じた相手は、まだカウンセラーとして日が浅いアリス。

実はアリス、一流企業でバリバリ働いた挙句の燃え尽き症候群で、やっと立ち直ったばかり。

こんな崖っぷち人生の二人が出遭ったことから、悲喜こもごもの、さまざまな事件を巻き込みながら、気の利いたフランス流エスプリたっぷりの展開が時間を忘れさせてくれる。

オマール・シーは野性味たっぷりの陽気な青年、対するシャルロット・ゲンズブールはやせぎすで、どこか病的な表情と、何もかもが対照的で、この組み合わせがいい味を加えている。

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「ある過去の行方」では、暗い感じの男を演じていたタハール・ラヒムが、本作では一転、底抜けに明るいキャラクターを演じていて、隠し味的存在になっている。

#103 画像はALLCINEMA on lineから