160506
江東区を中心に活動し、最近は歌よりプロデューサーとして忙しい土師雅人さん主宰の定例コンサート。会場は下町情緒たっぷりの深川江戸資料館の小劇場。もともと音楽より日本芸能向きに作られているホールゆえ、残響がほとんどなく、歌手にはやや歌いづらそうな印象を受けた。
そんな中、2月のハムコンで知り合いになった若手ソプラノ田中由佳さんがレオノーラで出演するということで、浅草線と大江戸線を乗り継いで(例によってシニアパスをフル活用)清澄白河まで。
22名の歌手が次々に登場、技量差は多少あるが、全般に聞き応えたっぷりの演奏会。しかも3,000円ポッキリだが、会場がガラガラで、実に勿体ない。もう少しチケット販売、工夫できなかったかと惜しまれる。
⬆︎マーカーで印した方々は注目株。とりわけ菅原知恵さんはトスカ、蝶々夫人と長く、しかも難しいシェーナを連続で歌われたが、抜群の技量を示された。
私服に着替えられてしまったが、終演後、ロビーで撮影したのは、イル・トロバトーレ第4幕のシェーナを歌われた田中由佳さんと野村光洋さん。野村さんは口ひげのせいか、実年齢(32)よりずっと貫禄が備わっている印象。ルーナ伯爵は、歌唱はもとより、演技も素晴らしく、とても様になっていた。
田中由佳さん、上昇株の一人。最近は藤原歌劇団のオーディションにも合格されるなど、かなり調子は良さそうだ。レオノーラ、期待通りの歌唱を披露してくれて、ブラーヴァ!!。演技には、まだ硬さが見られるのは、キャリアを考えればやむをえないところだろう。乞うご期待!
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