160825
二期会の真夏のコンサートは久しぶりだ。大御所、ベテラン、中堅、新人まで、くまなく網羅した陣容は、二期会ここにあり、を思わせる贅沢なもの。演目も盛りだくさん。副題にデータから見た最多公演は何かとあり、進行役の大野徹也さんと佐々木典子さんから発表があった。残念ながら、声が聞き取りにくく、辛うじて、第1位が「フィガロの結婚」ということだけは分かった。
ご覧のように、腹一杯になるほどのラインアップである。どれもこれも、いや実に素晴らしい演唱ばかりだったが、とりわけ印象に残ったのは、
文屋小百合さんの「ある晴れた日に」、成田博之さんの「お前こそ心を汚すもの」、佐々木典子さんの「おごそかなこの広間よ」、文屋さんと今井俊輔さんの「トロバトーレ」からレオノーラとルーナ伯爵の二重唱、佐竹由美(なおみ)さんの「偉大なる王女さま」、針生美智子さんの「夜の女王」のアリア、など。
文屋さんは、10年ぐらい以前から聞いているが、確かな進化がうかがわれて素晴らしい!佐々木さんは舞台に乗るだけで気品があって、断然風格が違う。佐竹さんも久しぶりに聴かせていただいたが、まだまだ若いもんには負けないよという気迫が伝わる素晴らしい舞台だった。針生さんの夜女を紀尾井ホールで聞いたのは・・・もう10数年前かな。この方の夜女もまた絶品!超難度の箇所も楽々正確に音を刻んで、見事でした。
バリトンの今井俊輔さん、格段にパワーアップしていて、ルーナ伯爵は、故エットレ・バスティアニーニを彷彿とさせるような歌いっぷりであった。この方、ちょいワル風なご面相でもあり(失礼!)、スカルピアとかルーナ伯爵など、裏で何か画策するとか、他人の恋路を邪魔するような役柄が似合っていそうだ。それでもジェルモンなどは聞いてみたい気もするが・・・。何れにしても、日本では数少ない、悪役がぴったりのバリトンだろう。活躍してほしい。
若手代表で、今や売れっ子の三井清夏(さやか)さん。美しい声、舞台映えのする姿、今後がとても楽しみなソプラノである。
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