171024 リリックソプラノの名手、鈴木玲奈を聴きたくて、元の勤務先のA先輩と自由席最前列に陣取る。さすが本選まで勝ち残った歌手たち、どなたも格段のうまさで、練りに練ったと思われる選曲もすばらしいものばかり。陶酔の2時間だった。
そんな中で、やはり鈴木玲奈のこの2曲は群を抜いていた。ルチアの凄みも鳥肌モノだったが、最初のラクメは、さらに素晴らしいもので、冒頭部分は人の声というより、なにかこの世のものとも思えない、天上の響のようなものが感じられた。そして期待通り、第1位に輝いた。
A先輩撮影の写真。私は感激の発表の瞬間には立ち会えなかったが、発表直後、A先輩からこの画像が送られてきた。
2位になった横山和美も、大変小柄なのだが、声の響きは玲奈さんに決して負けてなかった。舞台度胸も良さそうだし、とても現役の大学院生とは思えぬ落ち着きぶり。今後た楽しみなソプラノだ。
主催者の一つ、毎日新聞の報道と画像を掲載させていたきます。
第86回日本音楽コンクール(主催=毎日新聞社・NHK、特別協賛=三井物産、協賛=岩谷産業)の本選会は4日目の24日、東京・初台の東京オペラシティで声楽部門を開き、ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」に超技巧的なソプラノを響かせた鈴木玲奈さん(28)=千葉県出身、東京音大大学院修了=が1位に選ばれた。応募138人の中から2度の予選を通った6人が現田茂夫さん指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で自ら選んだオペラ・アリアを歌い、高橋薫子さん、多田羅迪夫さんら9人が審査した。
他の入賞・入選は次の通り。(同位は歌唱順、敬称略)
2位 横山和美(25)=ソプラノ、千葉県出身、東京芸大大学院▽3位 小林大祐(33)=バリトン、富山県出身、二期会会員▽入選 迫田美帆(30)=ソプラノ、東京都出身、藤原歌劇団団員、今井文音(30)=ソプラノ、北海道出身、リスト・フェレンツ音大大学院修了、市川浩平(33)=テノール、静岡県出身、二期会会員▽岩谷賞(聴衆賞) 横山和美【斉藤希史子】
#71 (文中敬称略)