161220 3年前の「永遠の0」の時と原作、監督(山崎 貴)、主演が同じ人物。あれより、ずっとこちらの方が出来がいい。
モデルは出光佐三。どこまで忠実に描いているかは不明。だが、百田尚樹という男は彼の、まさに波乱万丈の一代記を物の見事に描き切った。上の画像にある大正時代の姿から、最後は他界するまでを、時代を前後しながら、巧みにCD映像を織り交ぜつつ、一気に見せる。2時間25分は、あっという間だった。
何と言っても、主演の岡田准一の出来が違った。「永遠の0」の時は、明らかなミスキャストに映ったが、本作では、彼以上にふさわしい俳優はいないと納得させる出来栄え。この人物の持つ細心さと豪胆さを彼ほど見事とに誰が表現できただろうか。
先を見る目、人を見る目、一か八かの大勝負に打って出る”勘”、胆力、即断即決・・・どこを取っても超一流という、これは才能なのか、DNAか、はたまた本人の努力か。現代には見当たらない、この超ド級の人物はどのようにして誕生したか。
見どころ満載、胸が熱くなるシーン、再三ならず。この日は映画館に行く前に昼の会食があり、ビールを1っぱい飲んでいたので、睡魔に襲われる覚悟だったが、まったくの杞憂だった。
蛇足ながら、自社製品の油を石油メジャーに対抗して、当時飛ぶ鳥落とす勢いの満鉄本社に売り込みに行く場面には大いに興味を惹かれた。というのも、愚亭の父親が満鉄マンで、我が家には、満鉄のロゴ(Mの字をデザイン化したもの)の入った立派な灰皿があったのを思い出したからだ。(映画では、担当者のデスクの上や、オフィスの壁にも満鉄のロゴ入りの小物が多く配置されている。)
#95 画像はALLCINEMA on lineから