ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

180803 MISSION IMPOSSIBLE - FALLOUT 147分 米 製作(共同)・脚本・監督:クリストファー・マッカリー

ストーリーは、プルトニウム核弾頭を爆発させて破滅的な損害を地球に与えようとする一味とそれを阻止しようとするイーサンたち。そこへCIA, IFM, MI6が入り乱れてという、毎度お馴染みの展開。誰が味方で、いつの間にか敵になっていたり、その逆だったりと、ついて行けないところもあるが、見せ場は目一杯用意されていて、たっぷり楽しめる作り込み方はさすがである。

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このシリーズ、すべて見ているが、見るたびに”凄み”を増し、さらに次へと期待が膨らむ。とりわけ現在56歳のトム・クルーズの捨て身のスタントには目を奪われる。今回はとうとうビルからビルへと飛び移るシーンで骨折したそうだが、演技をそのまま続けたというから役者魂もここまで来ると、超脱帽あるのみ!

イーサンは、その優しさ(特に女性に)ゆえに、危機が迫っていても非情になりきれず、そのために仲間までも危険な目に遭わせることになるのは、毎回お馴染み。それが、イーサン、一番の魅力なのかもしれないが。

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これだもの!

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この直後、骨折かな。

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セントポールを背景に疾走するトム。骨折前の撮影か。

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こんな命がけのスタントをやってた日には、命がいくつあっても足りない。

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終幕近くのこの場面はもしかしたらCG撮影かな。

見せ場が次から次へと登場し、画面に釘付けとはこのこと!ベルファスト、ベルリン、パリ、ロンドン、カシミールと舞台が目まぐるしく変化する。見せ場は、パリでの高高度からのグラン・パリへ向けての降下シーン、その後のグラン・パレの男子トイレでの超ハードな格闘シーン、パリ市内でのカーチェイス、ロンドンでの追跡シーン、そして終幕近く、カシミールでのヘリ同士の戦闘シーンとその後の墜落、崖上での格闘、など。

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大型トラックでパリの路地を疾駆し、ついに挟まる場面。これって、両側のビルに相当なダメージを与えているはずなのだが、パリ市はこれを許可したってーことか。

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レベッカ・ファーガソン、最近見た「グレイテスト・ショーマン」の時よりずっと自然な演技で存在感に溢れている。この印象的なシーンはパリ市内のパレ・ロワイヤルで撮影されたもの。

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ミシェル・モナハン、イーサンの女房役ジュリアで最後の方に少しだけ登場。確か、前作でも最後の最後に登場。

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女優陣の揃い踏み。

ここには並んでないが、パリ警察の一人として、劇中、イーサンたちと偶然、出会ってしまい、突然のことでどう対応していいか、お互いに大いに困惑する(この場面、おかしくて、笑ってしまったが)ところで、やっとArrêtez!(止まれ)とイーサンたちに叫ぶが、突如現れたApostles一味に撃たれてしまうのが⬇︎フランス人のAlix Bénézech! 27歳だが、女優だけでなくすでに監督もやっているというから、なかなかの傑物かも。

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こうした魅力溢れる女優たちが次々に登場するところも本作の見所と思うのだが。

#57 画像はIMDbから。

「カメラを止めるな!」

180802 久しぶりに映画館に足を運んだ。余りにも暑いので、遅い時間帯を選んだのだが、6時頃でも外気温32度!日が差していないだけマシだと思い、久しぶりに蒲田まで歩いた。

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これが稀に見る面白さ!どこか陰気な廃墟風の建物でのゾンビ映画撮影現場。定番の首筋に噛み付かれる場面での女優の顔が気に入らない監督が、その若い女優に、それこそ噛み付かんばかりに大声でダメ出しをする。そこから、一気呵成に撮影が進行していくのだが、これがノーカット撮影というから凄い!タイトルもONE CUT OF THE DEAD!

エンドロールがやや控えめに左端に出始めたが、えらく短いけど・・・?それもそのはず、ここからが本題で、いかなる事情・背景でこの作品が作られるに至ったか、つまりプロデューサーが出てきて、スタッフ・キャストを一同に集めて、種明かしをしてから、いわばメーキング風に展開していくのだが・・・・。まあ、この辺にしておこう。

これほど痛快で、しかも前半の怖さと、後半のおかしさとの対比が実に見事。愚亭が知っているスタッフ・キャストはゼロ。かなりの低予算だと思うが、現在大入り満員だし、海外での評判もすこぶる上々。いやぁー、やられたね、見事に!まいった、まいった!

#56

船友の個展へ

180801 御茶ノ水の画廊で開催中の船友(半世紀前にヨーロッパへ船で行ったときの仲間)の個展へ。

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画名は宇樹夢舟(うきむしゅう)。宇宙、樹々、夢、そして舟だが、あの時の”ラオス号”にかけて、空間を自由に移動する舟に対する憧憬が込められているような、絵を見てたら、そんな印象を持った。

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いろんな思いが詰まった作品。無限の宇宙と、ちっぽけな人という存在が意識される絵柄が多い。

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この中央のピラミッドの見える絵は昨年、立派な額装を施されて、船友たちにプレゼントしていただいた。我が家の”画廊”の中央に掛けて、楽しんでいる。

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とにかく私より5,6歳は上なのに、まあ元気で毎日のように出かけては、あちこちの展覧会を鑑賞しまくっている。体力、気力、好奇心、おそるべし!私も元気な方と自認しているが、この方にはかなわない。

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昔、画商もやっていたから、美術品からワインまで幅広い趣味があり、ヨーロッパで買い集めたワイングラスも一角に展示されていた。しかも、これら貴重なグラスで来場者に昼はお茶、夜はワインを振舞っている。真昼間だったが、我慢仕切れず、赤ワインを、左から2番目のグラスで賞味させていただいた。そのあと、勤務さえなければ2杯目に進みたかったが・・・。後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした。

二期会オペラ講座「後宮からの逃走〜オペラの東洋趣味〜」

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この秋に予定されている本番には行かないが、講座だけでお茶を濁そうという魂胆。そうしたことは、これまでも何度か。青島広志講座、上にあるように、すでに通算41回というすごい回数で、そのうち多分20回以上は参加している。

この先生のすごいところは、話をしていたかと思うと次の瞬間には鍵盤を叩いていて、昨夜など右手にマイクをもったまま弾いてみたり、神童モーツァルトマリア・テレジアの御前で目隠しして演奏したシーンを再現したりと・・・。こういうマネのできる人は、あまりいないと思うのだが。加えて、早口の話がまた抱腹絶倒で、それも同じ話で笑わせることがない、ということは、どれほどの引き出しの数かと驚愕あるのみ。

さらに、特技は絵を描く技術!白板にさらさらと世界地図を描いて、そこにさまざま文字を書き加えながら解説していくのだが、字の書き方が速い、速い!素人にもほんとにわかりやすく解説するから、まことに貴重な講座である。

昨日は西洋音楽に持ち込まれた東洋趣味がテーマだから、トルコ音楽、と言っても軍楽隊の調べのことだが、これが盛り込まれた「トルコ行進曲」をベートーベン、そしてモーツァルト作曲のものを弾き比べてくれたが、「今回で最後」と言いながら、ピアノ演奏技術もまだまだ見事なもの。

富平安希子は、今回初めて聴かせてもらったが、いやぁーまだこんなうまい人がいるんだと、二期会の底堅さを改めて認識した次第。超高音部までこなせる歌唱はもとより、舞台姿も美しいし、青島広志先生とのトークも、まったく物怖じすることなく対応していて、大物出現の予感。

山本耕平は、すでに何度か聴いている。自分でも認めているように、tenore lirico leggeroという声質だから、得意とする演目は自ずと限られるだろう。Antonino SiragusaやJuan Diego Floresの系統だろうか。国内では、藤原の中井亮一も多分。

しかし山本耕平、幼児の頃からピアノを習っていたのはいいとして、音楽家としてはクラリネット奏者からスタートしたという。歌手に転向しても当初はバスだったというから驚きだ。テノールに転向してよかったと思う。この小柄な体で、童顔だから、そこから低音を出されても面食らうことは必定。さらに、オペラでは役がつかないと思う。

最後に歌ったベルモンテのアリアでは、男声では比較的珍しいアジリタを聞かせてくれた。コロラトゥーラは男声にはあまり使われる用語ではないと青島広志先生の説明。すなわち、メリスマを歌う技術がコロラトゥーラであり、アジリタで、女声の高音部の場合がコロラトゥーラということでよいのだろう。

 

#42 (文中一部敬称略)

ついに本番を迎えた「椿姫」@アプリコ大ホール

180729 3月から稽古を積んで来た「椿姫」、とうとう本番の日を迎えた。

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大田区が誇る本格的な大ホールのオープンから20周年に当たる今年、その周年事業の一環としてオペラ「椿姫」を取り上げることになり、合唱団員募集記事を目にしたのが昨年末。バリトン・バスの募集人員、わずかに5名!(最終的には8名)これでは当選は無理と考え、一時は忘れかけていたが、今年に入ってから、再びチラシを目にし、そう言えば15周年記念事業の第九合唱団募集の際も、当選したことを思い出し、とりあえずダメモトで応募しておいた。

2月末に当選の吉報が舞い込み、さっそく銀座ヤマハで楽譜を購入。初めて手にするオペラ全曲の楽譜、値段も値段(¥5,000)だが、ずっしり重く、片手でしばらくもっていると疲れるほどのもの。

そして忘れもしない3月2日、1回目の練習。指導していただく先生方の紹介や、椿姫そのものの解説、イタリア語発音練習、自己紹介などがあり、実質的な譜読み・歌唱指導は2回目から。その後、暗譜に進み、立ち稽古が入り、7月からは大ホールでの立ち稽古となり、いよいよ練習も佳境に。

そして本番前々日のハウプトプローベではメイクも衣装も本番並みに、前日のゲネプロは一部、一般公開となり、緊張感をひしひし感じた次第。

そして29日、本番の日は意外や、それほどの高揚感もなく、ま、やるべきことはやったからと、むしろ淡々として早めに会場入り。

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1階のロビーから2階への階段。いつの間にかこのような洒落た仕様に!

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ホールも準備万端!

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今日は一番乗り。いつもの入口はまだ閉鎖中ゆえ、裏に回り駐車場から内部へ。楽屋の中央付近にある溜まり場。

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会場スタッフが飲み物やお菓子類を用意してくれている。心遣いに感謝だ。

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楽屋へ向かう。廊下の片側には合唱団員の衣装が本番での着用を待っている。

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男性合唱団員用楽屋。

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なかなかの快適空間!確か、数年前に、改装されが部分だ。

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事務局ご担当からの思いやりのこもったメッセージが置かれていた。こうした配慮に胸が熱くなる。

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舞台袖に用意された小道具たち。

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一つでも欠ければ台無しになる小道具類。裏方さんの努力には敬意しかない。

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アプリコが誇る舞台操作盤周辺。

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第1幕で使用予定のグラス。もちろん本物ではない。

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高齢者用にこうした配慮も。袖でのスタンバイが結構長く、やはり立ったままはきつい方々もおられるからね。

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舞台袖に入る直前の場所にも、こまごまと食べ物や飲み物が用意されている。

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3幕のセット。

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最後のチェックポイント、この鏡で衣装やメイクの最終チェック。

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愚亭のパートナーを努めてくれた、やはりアルトのNTさんと。小ホールで最後の声出し。後方に写っているのは演出の山田先生。

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舞台のセットでちゃっかり記念撮影。一般公募で選ばれたテノール陣はわずかに3名。バリトン・バスに比べさらに狭き門で、しかもそれが1と2に別れるわけで、本当によく頑張られた!手前はバリトンの高校一年生。チャーミングな性格の持ち主ゆえ、皆に可愛がられ、マスコット的存在。16歳でこんな体験が積めるなんて、羨ましい限りだ。

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準備完了のソプラノのお二人。山下尚子さん(左)と門口千絵美さん(チエミン)

さあ、そうこうするうちに開演。午後3時3分!5ヶ月の稽古の総決算!ここまで来たら、あとはたっぷりと楽しむまで。

そしてあれよあれよという間に終幕。覚悟はしていたが、速い速い!ちょっともったいないほどだ。まあまあ滞りなくというところか。終演は、午後5時45分。

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素人のわれわれを今日の高みへと導いてくれた指導の先生方、スタッフ・キャストの方々、とりわけ5ヶ月近くピアノ伴奏してくれた赤星裕子さん、裏方であれこれ世話を焼き続けてくれたソプラノの山下由佳さん、事務局の田沼里奈さんには敬服、脱帽!そして39名の合唱仲間たちにも、心からの感謝を込めて!MERCE A VOI, GENTIL SIGNORE E SIGNORI, GRAZIE E BRAVISSIMI !!!