2日連続で日生劇場へ。既に昨夜のフォーラムで本公演の情報が十分入っているので、完璧に楽しむことが出来た。
ソリストでは、オルフェオをアルトの手嶋さんが熱演。ダブルキャストの相手は、昨夜映像だけで観た宮本益光だが、けっして見劣りもしないし、違和感もない。作曲家の指定では、この役、テノールかアルト(コントラルトやカストラートのことも)なのだが、宮本さんて確かバリトン。ウ、アレ?
エウリディーチェの佐藤路子さん、初めて聞いたが、無理のない発声で身体の奥まで入ってくる美声だ。アモールのもう一人の佐藤さんも愛らしい雰囲気がよく出ていたと思う。
美術が素晴らしい!やはり反射する床面の効果は抜群で、見たこともないような光の乱舞を観た思い。小舟にオルフェオが乗って冥界をゆっくり進むシーン、その後、エウリディーチェと二人でのシーンも、何やらルーブル本館にあるドラクロワの「ダンテの小舟」を思わせる重厚な映像が特に印象深い。
ヴィレッジシンガーズという合唱団は初めて聞くが24名とは思えぬサウンドを響かせ、更にダンサー6人に混じって踊るシーンでは、ダンサーと見分けがつかないほど見事な演技ぶりだった。さすがにみなさんプロである。
照明も冴えた技術をいかんなく見せてくれたと思う。縦横上下に、特に舞台袖からの深いブルーのLED照射が極めて効果的に用いられていた。照明が今回ほど気になった舞台は初めてである。
ところで、第2幕第2場「極楽の精霊たちのバレエ」シーンはこの聞きなれた旋律。ここで出てくるとは思わなかった。
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