121121 NHKのクローズアップ現代及び日曜新美術館で取り上げられたこの展覧会を見に好天の中、上野へ。
戦時中、米西岸内陸部に設けられたいくつかの日系人収容所に、3年以上も過酷な環境に閉じ込められた人々の魂の声が聞こえるようだ。既にワシントンのスミソニアン博物館で展示されたものが、NHKで放映されたことがきっかけで、実現した展示会。
「がまんのアート」とはうまいネーミングだ。日本語の方はもう少し重々しく「尊厳の藝術」。
入口正面に掲げられている作品。収容所全体を浮き彫り彩色したもの。
収容所の歯医者への感謝の印として送られた杖。どれも見事な作品。何十本とあるらしい。
財布やタバコ入れの細かい作業にはただ感嘆するのみ。
鉄くずを利用して作ったとは到底思えぬ。
手の込んだ模様が印象的。
買い物かごも実に精緻な出来映え。
実用品のナイフ。
そろばんだって、この通り。
素人とは思えぬ作品ばかり。
収容された日本人はすべからく番号がふられて、実名で呼ばれることはなかった。そこで、このように表札を作って、玄関にことさら目立つようにかけていた人も少なくなかったらしい。
硯。道具もなく、よくこんなものが作れる。
TULE LAKE 軟式野球チーム優勝記念ペナント。どこから見ても、素人の作品ではない。
これらのブローチは、ほとんど地中から掘り出した貝殻を利用して彩色されたもの。
道具もないのに、どうしたこんな本格的なハサミが作れたのか。
木の根の形をそのまま生かした蛇。
固い木で作ったライオン。素人が素手で木の塊からかくも生き生きした動物を造り出した。
これも天然の素材をそのまま利用したライオン。
二宮金次郎像。何ともけなげだ。
本格的な感謝状も。
内容からして高齢者が多いのは当然だが、若い人にも是非知って欲しい内容である。しかも入場無料というのに。
すっかり晩秋のよそおいの上野公園。
前回はこの辺一帯にグリーン・フェアの特設オブジェが所狭しとあったのだが、今はもぬけの殻。チト寂しい。
我がシャドウ。