130124 TOHOシネマズ・シャンテシネ 原題:ALBERT NOBBS 製作(共)・脚本(共)・主演:グレン・クローズ
19世紀末、アイルランドの首都ダブリンが舞台。一流ホテルでウィエターとして確固たる地位を築くアルバートには大きな秘密が。実は「彼」、女性なのだ。孤児として育ったアルバートが、女性の地位が低いこの時代、それなりに身を立てる工夫がこれだった。常連客から貰うチップをコツコツ溜めて、やがて自分の店を持つことを夢見る日々。
そんなある日、出会ったペンキ職人のヒューバート・ペイジにふとしたことから、女であることがバレてしまう。口外無用を約束させたものの、以後、ヒューバートが気になる存在に。実は、「彼」も女であることをカミングアウト。一層親近感を抱くことに。
「彼女」との出会いがきっかけで、自分の生き方にふと疑問が湧き始め、薄皮をはぐように日々変化が生まれ、やがて意外な展開に。
昨年のオスカー主演女優賞にノミネートされるも受賞は逃す。逃し続けること連続6回は、デボラ・カーらと並び、記録だそうだ。因に昨年受賞したのは、マーガレット・サッチャーを演じたメリル・ストリープ。
この役、随分昔から入れ込んだグレン・クローズは、嘗てオフブロードウェイの舞台でも演じている。それだけに、長期にわたって準備をし、自ら製作・脚本まで担当し、満を持しての映画化となった作品。
あら探しではないが、男に徹するとは言え、ヒゲやのど仏という外見上の特徴で、ヒューバートともども長いこと見破られない方が不思議である。ヒューバートを演じた、これも舞台俳優のイギリス出身、ジャネット・マクティアのでかいこと!多分、身長180cmはありそう。顔もごつく、これはうっかりすると男と見間違えそうだ。
脇役陣のキャスティングも素晴らしいし、また全体にセピア色のトーンで、当時のダブリンの雰囲気をよく出している撮影もなかなか。描き方も丁寧で、脚本に無駄がない。
邦題は、いささか?である。アルバートはファーストネームだから、これに氏をつけるのはヘン。アルバート・ノッブス氏とすべきだろう。それでは長過ぎると思ったのなら、ノッブス氏でいけないのか。或は、原作のまま「アルバート・ノッブス」では、インパクトに欠けるかな。
#3 画像はALLCINEMA on lineから。