130220 東京都美術館
⬆自画像 1595年
余り好きでもない画家だが、せっかくの高齢者サービスデイだから、覗いて来た。銀座で映画を見てから、上野へ。午後4時半入館だったので、かなり空いていてゆっくり鑑賞。
⬆「オルテンシオ・パラヴィシーノの肖像」これは傑作の一つ。モノクロに近いタッチで、修道士の内面まで描き込んだ一枚。
スペイン三大画家の一人として、ベラスケス、ゴヤに並び称されるのだが、私にはイマイチ訴える力が他の二人に比べれば弱いように感じる。生まれ故郷のクレタ➡ヴェニス➡ローマ➡マドリッド➡トレド、そしてここが終の住処になり、主要作品群はトレドに多い所以だ。
⬆比較的早い時代は「白貂をまとう貴婦人」のように、いわゆる余りエル・グレコらしくない写実的な作品も残している。
⬆「悔悛するマグダラのマリア」元は娼婦だったとされるマグダラのマリア、ちょっとしどけない姿勢だ。彼女は、南仏マルセイユ近くに逃れてきたと言われているので、それらしき風景が背景に描かれているのか。青い空もなんとなく南仏を思わせなくもない。全然違うかも知れぬが・・・。
⬆「オリーブ山のキリスト」この遠近法の手法は冴えている。
⬆この受胎告知は、大天使ガブリエルの翼も何か妙だし、他の巨匠たちの同タイトルの作品に比べて、やや見劣りがする描き方だ。
⬆「聖衣剥奪」キリストがこれから磔刑にされる緊迫の場面だが、上手い!
⬆最高傑作とされる「無原罪のお宿り」さすがに大きな作品で、おばちゃんたちは絵の下にしゃがみ込んで見上げて鑑賞していた。そうするとひょろ長い身体の描き方が生きて来るのだナ。手前に花々、奥にトレドと思しき景色が描き込まれている。