ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ライブ・ビューイングで「カルメン」を観る

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130414 パリ・オペラ座も、メトの真似を始めた。ライブ・ビューイングで一稼ぎしようという目論みだ。残念ながら、メトのそれには、やはり及ばない。かなり地味な出来映え、というよりメトが派手過ぎるのか。同じ3500円を適用しているのだが、どうしても見劣りがしてしまう。

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全体の構成は、メトのスタイルそのものだが、カメラワークなどもおとなし過ぎる。メトほど縦横にとまでは望まないが、もう少しメリハリつけて欲しいもの。それに、開演前と幕間の出演者インタビューだが、音楽監督のフィリップ・ジョルダン(チュリッヒ生まれの弱冠38歳)、演出のイブ・ボーネン、主役のアントヌッチはいいとして、他が伍長モラレスを演じたアレクサンドル・デュアメルだけはいただけない。ここはどうしても、ニコライ・シューコフは外して欲しくなかった。

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ソリスト陣は、全員高い技量で、その点でのバランスが取れていたと言えよう。ただ、難を言えば、ホセを演じたシューコフ(オーストリア出身)にもう少し色気があればということ。またミカエラゲニア・キューマイア(⬇ザルツブルク)も、えらい人気なのだが、少しばかり見栄えがしないのが残念至極!アンナ・カテリーナ・アントナッチさん(上)は、誰かに似ているようでいて、誰にも似ていない、ちょっと捕らえどころのない美形。

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マエストロ・ジョルダン(上)指揮下のパリ・オペラ座管弦楽団の演奏がまことに素晴らしかったことも忘れてはならない。

 

舞台だが、メトほど贅沢な大空間はないから、フレームは同じものを使いながらも、実に巧みに4幕それぞれ工夫を凝らして、違った場面作りに成功していたと思う。自転車が登場したり、酒場パスティアの場面では、鉄道用の大型台車を用いるなど、なかなか楽しい工夫が見られた。ミカエラが自転車で登場したのが面白かった。

 

ついでに、ラストシーンが衝撃的。ナイフを使わないでホセがカルメンを殺すのはまったく斬新なアイディアだ。

 

ところで、みゆき座は隣のスカラ座の付属館のごときもので、スクリーンがえらく小さいから、こういう出し物にはまったく不向き。もっと大きなところで、観たかった。

 

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