130430 QUARTET 邦題はカルテットだけでは不安だったらしくわざわざ副題をつけている。よくやる手だ。まぁ、内容をチラッと見せる意味ではいいのかも知れないが。
話の展開は凡庸で、先が読めてしまうが、出演者が贅沢なことで、十分堪能できる。それとダスティン・ホフマン、初めての監督作という点でも興味があった。まず、無難にまとめたのではないかな。
ミラノ郊外にあるヴェルディ・ハウスが舞台かと思ったら、そうではなくて、英国バッキンガムシャー、タプローにあるヘザーハウス&パークというところで撮影したとか。ビーチャム・ハウスという名前にしてあるが、外観・内装とも豪華、広大な敷地は緑豊かで、余生をあんな環境で過ごせるとは、羨ましき限りだ。
そこは嘗ての音楽家が依然音楽に親しみながら豊かに余生を過ごす場所。そこへ一斉を風靡したソプラノのジーン(M.スミス)が新しく入居してくることから、ひと騒動持ち上がるという筋立て。
毎年開催している恒例の入居者によるコンサートが、今回はヴェルディの誕生日に重なることで、歌手たちは大張り切りで準備にいそしむ。そしてトリはジーンを迎えてのリゴレットからの四重唱だが、果たして・・・。
エンド・ロールで、登場する音楽家たちの現在と過去の映像が並列して出てくるのは、余り感心する手法でない気がするが。器楽奏者たちは実際に演奏、そして歌手の中では唯一、英国が誇るソプラノ、デイム・グィネス・ジョーンズが「トスカ」からVISSI D'ARTE, VISSI D'AMOREを聞かせるのがご愛嬌。それにしても、往事の姿が思い出せないほど太ってしまった。
ところで、米映画ではふんだんに出てくるfxxkだが、英国映画で、しかもマギー・スミスにこれを言わせるとは、いやはや!
#31 画像はALLCINEMA on lineから