ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「イノセント・ガーデン」

130531 TOHOシネマズシャンテ 原題:STOKER

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韓国人監督(パク・チャヌック - 「JSA」)というのが、ちょっとねぇ・・・ま、でも結果オーライ。アン・リー並みにハリウッドでの成功を狙っているのか。でも、まぁうまく撮っています。

 

いきなり冒頭クレジットでかなり遊んでいて、見ていて楽しかった。そしてエンドロールの逆回転スクロールも斬新。こういう細かいところで、遊び心がふんだんに。内容はちょっとばかりヒッチコック風で怖いところも満載。ちょっと凝り過ぎた映像が、どうかな、若干引いてしまったりもするけど、全体に、99分で、うまくまとめたスリラーになっている。

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原題は主人公のファミリー・ネームなのだが、StokerはかなりStalkerを意識したタイトルだ。

仲の良かった父親がある日事故死。葬儀の最中、視力抜群の娘、インディア(これもかなり凝った名前)は、はるか彼方の丘の上にたたずむ男の姿を認める。するとこの男が突然、亡くなった父親の弟、つまり彼女にとって叔父チャーリーと名乗って登場。母親(ニコル・キッドマン、相変わらずの美貌だが、この作品では余り得していない)と奇妙な3人暮らしが始まる。そして・・・ま、いろんな奇怪な事件が次々に起きて、かなりショッキングなエンディングが待っている。

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主役を演じるミア・ワシコウスカがいい味だしている。「アリス・イン・ワンダーランド」や「アルバート氏の人生」で見せた演技とはまったく異なる、彼女の「地」のようなものがじわっと溢れているような気がしてしようがない。無表情で、いつも冷徹な計算が瞬時に働くような、そして圧倒的に気が強く、意思の固さを感じさせる娘だ。

 

チャーリーをやっているマシュー・グッドって、スカーレット・ヨハンセンと共演した「マッチポイント」が印象に残るが、にやけた優男的風貌で、何を考えているか分からない不気味さがあるから、彼もこの役には適任。

 

まずまずよく出来た作品。一応、リドリー・スコットさんが製作陣に名を連ねていることもあり、ま、それなりに、というところか。音楽が効果的に使われているのも印象に残った。今では懐かしいナンシー・シナトラの「サマー・ワイン」が流れるシーンも。

#38 画像はALLCINEMA on line