140409
「気軽にオペラ」シリーズ。低予算、しかも広くもない舞台を効率的に使って見事なオペラを見せてもらった。歌い手もいずれ劣らぬ芸達者揃いで、感心させられること、まことに多し。
言わずと知れたロッシーニの代表作だが、随所に分かり易い楽曲がちりばめられていて、本当に楽しめるオペラだが、演じる側は大変だろう。しかもアジリタを存分に試されるから、油断ならない。
低予算だから、当然伴奏もピアノだけだが、小型チェンバロを併用するなど工夫を凝らしていて、聞く側は嬉しいのだが、出っ放しの伴奏者はきっと体力勝負だったろう。
休憩時間を入れて、きっかり3時間の長丁場、ややもすれば中だるみ的に睡魔に襲われがちだが、今回はそれすら感じることなく、しっかり鑑賞できた。
演出も随分凝っていて、冒頭のリンドーロ登場辺りは若干上滑り気味と感じないわけではなかったが、終わってみれば、たっぷり満足感が残った。最後の7重唱など、照明の当て方など、あの舞台をいかにも奥行きある空間に見せることに成功していたと思う。
カーテンコールには、演出者も登場してもいいと思うのだが・・・、ご本人には何か考えがあってのことだろう。
「気軽にオペラ!」とあるように、こういう舞台、今後も是非どんどん見せて欲しいと思った。
ロジーナの佐藤篤子さん。終演後、ロビーで聴衆に挨拶に出て来られたのでパチリ。撮影したのはこの一枚だけ。後ろに写っている方が多分演出の今井さんと思われる。
(佐藤さんから本写真掲出の許可はいただいています。)
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