150212 今月は忙しすぎて、なかなか映画に行く時間が取れない。やっと見たのが本作。原題:STILL LIFE 英・伊合作 92分 製作・脚本・監督:ウベルト・パゾリーニ(ピエル=パオロ・パゾリーニとは縁戚関係にないようだ。ローマ出身58歳)イタリア人だが、ほとんどイギリスで活動していて、これまでの話題作は「フル・モンティ」。やはり北イングランドが舞台の喜劇。
この邦題はうまい。「静なる人生」より中身をうまく表現していて、日本人には納得の行くタイトルになっている。「おくりびと」を連想させるが、もちろん納棺師の話ではない。亡くなった独居老人の縁者を探しながら、故人の生前の姿を辿り偲ぶような役割を担うロンドン下町のしがない民生委員。
こういう地味な立場の人間にスポットを当てたこと自体が素晴らしい。またこれを演じる、いかにも地味なエディー・マーサンが素晴らしい!この人、何作か脇役で出ていて、かなり特徴的な顔をしているので、気になる存在だったが、見事、本作で主役を射止めた。
民生委員のジョン・メイは、今日も役所の片隅で、目立たぬ仕事を続けている。すると上司から、経費削減で、仕事自体アウトソーシングするからと解雇を告げられてしまう。でも、現在手がけている人物の仕事だけは最後までやらせて欲しいと懇願し、期日を過ぎたら、無給という条件でOKが出る。
苦労してやっと探し当てた故人の娘(ジョアンヌ・フロガット)に、顛末を説明し、次第に娘もこの風采の上がらなりオッさんに心を開き始めたのだが・・・・。
まさかの結末に、ボーゼンとなる。おいおい、このまま終わらせる気かよ、と思い始めると、そこはちゃんと考えてくれていて、まあ最後は少しばかりホッとさせてくれてよかった。
⬆どっかで見た顔と思ったら、現在NHKで放映を続けているダウントン・アビーにメイド長アンナ役で登場する女優だった。
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