150211
秋山和慶指揮者生活50周年記念コンサートなのだが、お目当は神尾真由子。
この人、現在29歳。2007年チャイコフスキー国際コンクール優勝という輝かしい経歴を持つ。長くチューリッヒ音楽院でザハール・ブロンに師事し、この時の模様はテレビで紹介されたことがある。なんといってもふてぶてしいほどのその態度で、相手が師であろうと、堂々と食ってかかる姿が印象に残った。相当気が強そうだ。ま、それが彼女の強い意思の現れなら大いに結構。
ブラ2が終わって休憩の後、待ち望んだ瞬間が。その瞬間、ため息ともつかぬささやきが場内のアチコチから。それもそのはず、彼女の腹部が大きく張り出していたからである。相手はロシア人ピアニスト、ミロスラフ・クルティシェフという野郎とか。えりぐりを深くえぐった黒のドレス、黒髪をひっつめにし、ポニーテールのテール部分だけ茶髪という懲りよう。
ま、それはともかく演奏だ。出だし、かなり弱めに出たのが意外だったが、徐々に何かが乗り移ったかのような超人的な演奏となり、この演目は生演奏でも何十回も聞いているが、これまで経験したこともないような名演奏で、大満足。ストラディバリウスから1735年ものグァリネリウスに切り替えたそうだが、そのせいかどうか、高音域の音色が極度に輝かしく繊細で、同時に低音域の豊かなうねりのような響きに圧倒されっぱなしだった。
3曲目、モーリス・ラヴェルの「ダフニスとクロエ」、物凄い楽器編成で、80人は超えていたようだ。特に管は主たる部門は三管から五管まで、パーカッションも6人ほどの演奏者が勢ぞろいで、タンバリンまで激しく打ち鳴らされる、きらびやかで賑やかな曲だった。
アンコールではスメタナの「売られた花嫁」から「道化師」で、これまた負けず劣らず軽快で愉快な曲で、掉尾を飾るに相応しい幕切れだった。
朝日の2/16夕刊に関連記事が掲載された。
最後のラヴェルが当夜の聴きどころとしているところが、さすがプロの批評家かな。
この後、本所吾妻橋へ急行。残り少なくなった国技館第九の練習に参加。今日の先生は愚亭には初めての泉智之先生。仲間からは人気絶頂の先生とお聞きしていたのに、今日まで稽古をつけてもらえるチャンスがなかった。
少し遅れて会場のリバーサイド・ホールに着いたら、既に満席状態。確かに飛んだり跳ねたり、ファルセットでソプラノパートを歌ってみせたり、とにかくよく動くし、そして頻繁にギャグも飛ばすから、おばさん、おばあさん達は一様に大喜び。
さあ、これで22日の本番を迎えるのみ。思えば、昨年9月から5ヶ月間、8人の先生が入れ替わり立ち替わり指導してくださり、しかもどの先生も教え方がハンパなくお上手。それに諧謔精神に溢れ、実に楽しく指導してもらえ、有り難かった。
中には、過去なんども歌っているからと、練習にはほとんど参加せず、本番を迎える団員もすくなくないようだが、本来からすれば、それも随分失礼な話ではある。我がマンションにも4人ほど、そんな高齢女子が。
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