200620 先日来、生配信音楽会を聞きまくっている。聴く方もすっかり慣れ親しめるようになってきた。今は調布国際音楽祭2020を連続で聞いている。
鈴木雅明(オルガニスト、チェンバリスト、バッハ・コレギウム・ジャパン主宰者)を中心とする集団が企画・構成・運営などをしているこのフェスティヴァル、最終日の21(日)にはベートーベン・イヤーに因んで、第九全曲を演奏する。
弟の鈴木秀美のチェロも凄かったし、統括的な役割を果たしている長男で、作曲家・ピアニスト・チェンバリストの鈴木優人も自らの演奏以外に見事な進行役を発揮して、存在感を示している。ちなみに秀美の妻はソプラノの鈴木美登里という、とんでもないバロック一族なのだ。
今回、もっとも人気を呼んだのはどうやらバリトン歌手、加耒 徹だったような印象だ。ライブの書き込みや「投げ銭」で、画面横の欄外は大変な混みようだったのがそれを物語る。ドイツ歌曲中心の構成だったが、深く沈んだ低音部から明るい高音域までをくまなくカバーし、見事な演唱だった。彼はどちらかと言えば、きゃしゃでチャーミングな容姿で、そこからはちょっと想像しにくいような低音を響かせる。オペラよりはやはり宗教曲や歌曲に秀でているようだ。
コロナ禍でなければ、はるばる調布まで出かけて行って、入場料を払っているはずであり、それが、家でビール飲みながら(ちょっと失礼かな?)楽しめるなんて、生配信を今回はっきりとありがたいと認識した次第。
(文中敬称略)