ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

指揮者とピアニストのクロストーク@下丸子区民プラザ

251104

お二人とも、まだ愚亭は聞いたことがありません。来年1月のフレッシュ名曲コンサートで、ドボルジャークの「新世界より」とチャイコフスキーのP1の組み合わせに目がいき、ついでにその前座とも言うべきこのイベントに行ってきました。

本番で予定されている会場で開かれたのですが、4割程度の入りで、ちょっともったいなかったです。というのは、内容がなかなかよかったからです。このまだ20代後半の若きピアニストのトークがすばらしくお上手だったことに、驚きました。

まだ人生経験もピアニストとしての経験も深くない彼が、実に巧みな話術で、むしろ遥かに年上(出口大地氏は年齢未公表なので、顔や体つきからの想像ですが)のはずの出口氏をリードするほどでした。

わずか30分ほどでしたが、大変興味深く聞きました。また、後半にはあらかじめ主催者が今日の聴衆から集めていた質問集から抜粋していくつか尋ねていたのですが、その中に、演奏曲に対する解釈などが指揮者とピアニストで異なる場合はどのように対処するか、というのがあり、それに対して、佐川和冴さんが臆することなく、自分はまだ経験が浅いからと前置きして、指揮者のそれに極力合わせる趣旨のことを。

次にマイクを握った出口氏は、それほどそういうケースはないけど、どうしても考え方が合わない場合はとことん話し合えば解決できるものであると、明快に。

まあ、これはある程度、事前に想定できることですが、この答え方にも、お二人の姿勢とか人間性のようなものが見られました。

お二人は今回が初対面らしいですが、同じ音大出、しかも時代は違っても同じベルリンに留学したこともあり、因縁浅からぬ仲ですから、必ずやケミストリーが合わないはずはないと感じ、来年のチャイコフスキーP協が今から楽しみになってきました。

休憩後に佐川和冴さんのミニ・コンとなったのですが、これが素晴らしかった。この人のことはまったく情報がなかったんですが、こんなに上手い人とは!全ての曲で圧倒されました。