ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

鈴木優人 X 小山実稚恵@ミューザ川崎

210421

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久しぶりにコンサートに行けました。間もなく東京も緊急事態入りすることを考えれば、ラッキーだったとしか思えません。

チケット購入、ぎりぎりまで迷ったので、あまりいい席ではありませんでした。ほとんどP席に近い隅でした。ここからだとマエストロの左後ろにピアニストの手首から上が辛うじて見えるという塩梅です。

バロック一家のマエストロ鈴木優人は、オランダ生まれとか。それはともかく失礼ながら、育ちのいい坊やがスクスクと育ったという印象を受けてしまいます。この人のタクトでチャイコフスキーとドボルジャークが聞けるとは思っていませんでしたが、素晴らしい解釈と振りだったと思いました。大満足!

また小山実稚恵さんはなんどもこのホールで聴いています。飾らない人柄が演奏スタイルにも現れているような、そんな気が改めてしました。アンコールにはショパンノクターンを弾いてくれました。感動ものでした。

読響はあまり聴く機会がないのですが、後方から見ていて、気づいたことが。女性比率が少ないのです。ヴァイオリンのみ男女比率がほぼ半々でしたが、それ以外のパートは8:2とか管に至っては9:1ぐらいで、これは最近ではかなり珍しいと思いました。

すぐ手前がパーカッションだったので、ティンパニーの叩きっぷりをじっくりと堪能できました。また、第4楽章の解説に「あたかも機関車が徐々にスピードを爆走するかのように開始される。全曲でただ一度、シンバルが控えめに鳴る場面は、大の鉄道ファンだった作曲者が密かに仕込んだ『列車の連結音』か。」これもしっかり確認しましたし、愚亭は高音難聴で、普段ほとんど聞こえないトライアングルの音もしっかり今日は捉えられました。いろいろ収穫があった演奏会でした。

演奏終了後、普通だと、第2楽章で例の「家路」のメロディーをソロ演奏するイングリッシュ・ホルン奏者をまっさきに立たせて拍手を浴びさせるのですが、今日はまずフルート奏者から始まり、管全員、さらにパーカッションまで済んだところで、立たせるという、味な演出をマエストロが茶目っ気たっぷりにやらかしまして、笑いを込めた大喝采となりました。