ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

第九 by 都民響@東京文化会館

221123 長く続いた小春日和も昨日で終了した様子。今日は朝から冷たい雨。そんな中、昼過ぎ、上野へ。親しい合唱仲間の一人が舞台に乗るので、聴きに行った。

エストロ石川は芸大指揮科およびロベルト・シューマン音大(デュッセルドルフ)を出ていて、若手ながら、すでに国内外で活躍しているまさに気鋭です。それにしても、今日の第九の超特急にはかなりたまげましたね。今年の夏、芸劇でとてつもなく高速の第九を聞いていますから、それほどびっくりはしませんでしたが、その時以上の速さでした。

出だしはごく普通で、しばし女性のティンパニー奏者の叩きぶりをオペラグラスで眺めていました。ところが、3楽章に入ると俄然高速演奏に転じ、一気に4楽章へ突入。

そして、いよいよO Freundeが始まります。ここは須藤慎吾さんが、ごく当たり前のテンポで入りました。その後、徐々に高速回転となり、ダブルフーガでがくんといったんスピードダウンしましたが、最後は脱兎のごとく息つく暇もないほどの高速で終了。随分これまでいろんな演奏を聞いてきましたが、これは相当印象に残る演奏になりそうです。

ヴェテランソリスト陣も、目まぐるしいテンポの変化に動じることなく、安定した歌唱を聴かせてくれました。定評あるソニーの合唱団も、見事な響き、とりわけ男性陣が際立っていました。指導された江端さん、いかなる事情か、ソリスト4人とマエストロが舞台最前部で挨拶して引っ込んだ後に、一人で登場、喝采を浴びていましたが、これは結構珍しい光景でした。

今日は4階の最前列から鑑賞しました。高所恐怖症の人には耐えがたい位置かも知れません。音響的には、まったく問題ない席でした。オペラグラスでしっかりと演奏者、ソリスト、合唱団員を確認しました。

この写真は、一緒に鑑賞したT子さんが撮影しました。このホールはとりわけ撮影にはうるさく常にスタッフが周囲から目を光らせていて、少しでも撮ろうと構えると即座にすっ飛んできますから、私にはとてもそんな勇気はありません。(笑)